コンスタンティノス7世

コンスタンティノス7世（905年？-959年）は、東ローマ帝国マケドニア王朝の皇帝であり、その治世はビザンティン文化の黄金時代、いわゆる「マケドニア朝ルネサンス」として知られています。「ポルフュロゲネトス」というあだ名は「緋色の産室生まれ」、つまり皇帝の嫡子であることを意味し、彼の正統性を象徴しています。彼は文人皇帝として、また複雑な政治情勢の中で生きた人物として、歴史に名を刻んでいます。

生涯

レオーン6世とゾエ・カルボノプシナの間に生まれたコンスタンティノス7世は、幼くして父を亡くし、叔父アレクサンドロスが帝位を継ぎました。しかし、アレクサンドロスが1年で死去すると、コンスタンティノスが皇帝に即位します。幼少のため、コンスタンティノポリス総主教ニコラオス1世ミュスティコスが摂政として国政を担いましたが、国内は混乱しました。ブルガリアの侵攻、摂政団の失脚、母ゾエの権力掌握と失墜、そしてロマノス・レカペノスの台頭という激動の時代でした。

ロマノスは娘ヘレネとコンスタンティノスを結婚させ、共同皇帝として実権を握りました。920年にはコンスタンティノスは正帝の座を追われ、ロマノスが正帝となり、コンスタンティノスは第3位の共同皇帝に降格させられました。その後、24年間はロマノスが帝国を統治し、その間コンスタンティノスは学術研究に没頭しました。

正帝復帰

944年、ロマノス1世はコンスタンティノス7世を後継者に指名しました。ロマノスの息子たちによるクーデターでロマノス1世が追放されると、コンスタンティノスは民衆の支持を得て、ついに実権を掌握し、正帝に復帰しました。

皇帝に復帰してからも、コンスタンティノスは実際の政治は臣下に任せ、自らは学問に専念しました。彼の治世下では、宮廷に多くの学者が集められ、古代ギリシア文化の研究が進み、百科事典的な書物や農業書などが編纂されました。コンスタンティノス自身も、『バシレイオス1世伝』、『テマについて』、『帝国統治論』、『儀式の書』などの著作を残しました。

また、後ウマイヤ朝、神聖ローマ帝国、キエフ大公国などと外交関係を結び、友好を維持しました。東方ではニケフォロス・フォカスやヨハネス・ツィミスケスらの活躍により、優位を確立しました。

959年、コンスタンティノス7世は病死し、多くの市民がその死を悼んだと伝えられています。

「ポルフュロゲネトス」について

「ポルフュロゲネトス」という称号は、皇帝の嫡出子として生まれたことを意味し、その正統性を強調するものでした。特にコンスタンティノス7世に対してこの名が定着したのは、ロマノス1世の息子たちとは異なり、正統な皇室の血筋を引いているという民衆の支持と敬意の表れでした。

人物

ヨハネス・スキュリツェスの年代記によれば、コンスタンティノス7世は背が高く、息子のロマノス2世よりも高身長だったとされています。

コンスタンティノス7世は、激動の時代を生き抜きながらも、学問と文化を愛した皇帝でした。彼の治世は、東ローマ帝国の文化史において、重要な位置を占めています。

もう一度検索