コンスタンティーヌトラム

コンスタンティーヌトラムの概要

コンスタンティーヌトラム（アラビア語: ترامواي قسنطينة、英語: Constantine tramway、フランス語: Tramway de Constantine）は、アルジェリアの都市コンスタンティーヌに位置する現代的な路面電車です。このトラムの運行開始は2013年にさかのぼり、急速な都市化に伴い交通混雑の緩和や公共交通手段の充実を目的として開発されました。

開通の背景

アルジェリアでは2000年代から主要都市での公共交通システムの整備が進められており、コンスタンティーヌトラムもその中の一つです。初めての路線は2013年7月4日に正式な開通式典が行われ、翌日の7月5日から営業運転が開始されました。続いて、2019年6月3日には延伸区間が開通し、ますます多くの市民に便益を提供しています。

運営は、フランスとアルジェリアの公共交通事業者が共同で出資した特別目的法人「セトラム（SETRAM）」によって実施されています。これは、質の高い交通サービスを市民に提供するための協力の象徴です。

路線の情報

コンスタンティーヌの旧市街は道路が狭く急勾配が特徴であるため、路線は旧市街から少し離れた地点に配置されています。2019年時点で、全長約14.7kmの路線が運行中で、ベン・アブデルマルク・ランダーヌ（Ben Abdelmalek Ramdane）から、開発が進んでいる住宅地区のカドリ・ブラヒム（Kadri Brahim）までを結んでいます。さらに、ルメル渓谷を越えるための専用の歩行者用橋が新たに建設されるなど、地域開発が進められています。

運行時間は、始発が午前4時頃で、最終列車が午後10時頃に設定されています。平日は4〜5分間隔で運行しており、休日でも最大6分間隔の高頻度でのサービスが確保されています。

運賃とサービス

運賃は400ディナールで、10日間有効な乗車券は320ディナール、自由な乗車が可能な定額制カード「TAWASSOL」は月額1,200ディナールで入手可能です。このように、利用者のニーズに応じた多様な料金体系が用意されています。2020年の時点では、利用者数が1620万人を超え、アクセスの便利さが注目されています。

使用車両

トラムで運行されている車両は、フランスの鉄道車両メーカー・アルストムが製造したシタディス402型が使われています。これは両運転台の7車体連接車で、営業運転中の平均速度は時速20kmです。初期の導入台数は27両（101 - 127）で、全てスペインのバルセロナのアルストム工場で生産されました。

将来の展望

今後の計画として、コンスタンティーヌトラムはモアメ・ブディアフ空港へと延伸する構想があります。この計画が実現すれば、全長は25kmに達する見込みです。また、24両の車両追加投入も進められ、アルストムを始めとした企業が設立した「シタル（CITAL）」によって新たに生産されています。なお、車庫の収容能力が47両に限られているため、一部の車両は首都アルジェのアルジェトラムへのリース計画も考察されています。

コンスタンティーヌトラムは、地域の交通ニーズを満たす重要なインフラとして、ますますその存在価値を高めています。

もう一度検索