コンストルクシオネス・アエロナウティカス S.A.

コンストルクシオネス・アエロナウティカス S.A.（CASA）について

CASA（Construcciones Aeronáuticas S.A.）は、かつてスペインに存在していた航空機メーカーで、1923年に設立されました。会社の略称は「CASA」であり、スペイン語で「家」を意味します。CASAは、初の商業生産を1924年から行い始め、航空業界に多大な影響を与えました。当初はフランスのブレゲー社の航空機をライセンス生産し、例えばブレゲー 19型の偵察機を400機生産しました。

特に知られている機体には、CASA C-212アヴィオカー、CASA C-295の軍用輸送機、そしてCASA C-101という練習・地上攻撃機があります。これらの機体は、CASAの技術力と設計力を示す重要な存在です。

沿革

CASAの歴史は、1923年にホセ・オルティス＝エチャグエによって設立されたところから始まります。1924年5月、ヘタフェに工場を開設し、本格的な操業に乗り出しました。最初の生産機であるブレゲー 19型の偵察機は、特にその後の航空機設計において重要な一歩となりました。当時で400機を生産し、その中の2機には特別な名が付けられています。この一つは、1928年にセビリアからブラジルのバイーアまで6746キロメートルを43時間50分で飛行した「ヘスス・デル・グラン・ポデル」です。

1930年代には、自社設計の初の機体CASA-1が飛行し、国王アルフォンソ13世が視察に訪れるなどの出来事があった一方、スペイン内戦により工場は一時的にアリカンテへ移動します。内戦中、CASAの工場は共和派に属し、戦後はドイツの機種のライセンス生産に移行しました。

1940年代からは、ハインケルHe111のライセンス生産を開始し、さらに独自設計の輸送機CASA C-201 アルコターンも登場しましたが、エンジン供給の問題から十分な生産には至りませんでした。その後、スペイン政府の投資を受けて自社設計の機体開発を進め、1960年代にはF-100スーパーセイバーの整備契約を結ぶなど、国際的な連携も強化されました。

1970年代には、エアバスのコンソーシアムの一員となり、スペイン空軍向けのCASA C-101の開発を手掛けました。また、1999年にはEADSとして他企業と合併し、国際的な航空宇宙ディフェンス企業の一部として再編されました。これは、航空機の設計・製造におけるスペインの地位を新たに築く契機ともなりました。

主な製品

CASAは多彩な機体を生産し、以下のような代表的なモデルがあります：

• - CASA III：1929年に製造された複座単葉のスポーツ機。
• - CASA C-101 アヴィオジェット：スペイン空軍の練習機として活躍。
• - CASA C-212 アヴィオカー：双発のSTOL中型輸送機。
• - CASA CN-235：軍用輸送機および地域型旅客機。
• - CASA C-295：CN-235を基に開発された発展型。

CASAは数々のライセンス生産を行い、特にドイツの航空機の製造に重要な役割を果たしました。最終的に、2009年にはエアバスに完全吸収され、今でもCASAの名が残る機体は各国で現役の運用を行っています。これにより、CASAの技術と卓越した設計力は今でも航空機産業に影響を与えています。

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