コンテンツフィルタリング

コンテンツフィルタリングは、インターネットを通じてやり取りされる情報を監視し、内容に問題がある場合に接続を拒否・遮断する技術です。しばしばインターネットフィルタリングとも呼ばれます。

主に、ソフトウェアをクライアントにインストールするか、プロキシサーバーを利用して実現されます。コンテンツを書き換えることで安全な接続を可能にする技術もコンテンツフィルタリングと呼ばれますが、ここでは扱いません。ただし、そのような機能が、ここで述べるフィルタリングソフトやサービスの一環として提供されることはあります。

目的

コンテンツフィルタリングは、インターネット利用者とは別の管理者が、以下のような目的で実施します。

青少年保護: 不適切なサイトへのアクセスを制限します。
言論統制: 特定の情報を検閲します。
職場や学校での私的利用規制: 業務に関係のないインターネット利用を制限します。
情報漏洩防止: メールや掲示板などでの機密情報の漏洩を防ぎます。
インターネットセキュリティの向上: ウイルス感染や不正アクセスを防止します。

対象となるコンテンツ

フィルタリングの対象となるコンテンツは、以下のものが挙げられます。

不適切な内容を含むサイト: アダルトサイト、ギャンブルサイト、自殺関連サイトなど。
契約や商取引が可能なサイト: キャッシング、オンラインショッピングサイトなど。
交流やコミュニケーションサイト: 掲示板、SNS、チャットなど。
情報発信が可能なサイト: アップローダー、フリーメールサービスなど。
セキュリティ上の問題があるサイト: ウイルスを含むサイト、ブラウザクラッシャーなど。

技術

コンテンツフィルタリングの技術は、主に以下の2つに分類されます。

URLフィルタリング
概要: 事前にリスト化されたURLに基づいてアクセスを制御します。
レイティング方式: ウェブページの安全性を格付けし、その情報を元に遮断対象を選別します。第三者機関がデータベースを作成する方法と、サイト管理者がMETAタグで自己申告する方法があります。
ブラックリスト方式: 問題のあるサイトを登録し、それ以外は許可します。誤遮断のリスクは低いですが、未登録の不適切なサイトは遮断できません。
ホワイトリスト方式: 安全なサイトのみを登録し、それ以外は遮断します。不適切なサイトを確実に遮断できますが、利用可能なサイトが限定されます。
動的コンテンツフィルタリング
概要: ページの内容をリアルタイムで解析し、アクセスを制御します。
詳細: 掲示板など、動的に内容が変化するサイトのフィルタリングに適しています。ベイジアンフィルタなどの高度な技術を用いることで、よりきめ細かいフィルタリングが可能ですが、過剰なフィルタリングが発生する可能性もあります。

インターネット広告のフィルタリング

インターネット広告のブロックは、ブラウザ設定でサードパーティクッキーを拒否したり、アドブロック拡張機能の導入、hostsファイルの編集などによって実現できます。

電子メールのフィルタリング

電子メールのフィルタリングは、送信元や宛先による規制、ウイルスやスパムの検出、機密情報を含むメールの規制などがあります。

ソフトウェアとサービス

コンテンツフィルタリングソフトウェアは、さまざまな企業によって販売・提供されています。アンチウイルスソフトやメーラーにもフィルタリング機能が搭載されている場合があります。また、プロバイダもフィルタリングサービスを提供しています。

フィルタリングソフトウェアの例

i-フィルター（デジタルアーツ）
InterSafe（アルプスシステムインテグレーション）
サイトアンパイア（アルプスシステムインテグレーション）

フィルタリング機能を持つソフトウェアの例

ウイルスバスター2010 トレンド フレックス セキュリティ

プロバイダによるサービス

日本では青少年インターネット環境整備法により、携帯電話事業者やプロバイダが青少年向けにフィルタリングサービスを提供しています。

関連技術

コンテンツフィルタリングに関連する技術として、以下のようなものがあります。

アクセス禁止
フィルタリング (有害サイトアクセス制限)
ブロッキング (インターネット)
アドブロック
ネット[[検閲]]
行動ターゲティング広告
電子メールフィルタリング
ゾーニング
* 統合脅威管理 (UTM)

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