コントゥベルニウム

コントゥベルニウム（ラテン語: Contubernium）は、ローマ軍団における兵士の最小単位であり、8人の兵士で構成されていました。この集団は、兵舎のテントを共有し、日常生活を共に過ごしました。

コントゥベルニウムの構成と役割

コントゥベルニウムは、十人隊長（デクリオン）によって統率されていました。集団内には、鍛冶、木工、炊事など、日常生活に必要な技能を持つ者がおり、それぞれの専門性を活かして集団生活を支えていました。

10個のコントゥベルニウムが集まって1個のケントゥリア（百人隊）を構成しました。ケントゥリアは、ローマ軍団の中核となる部隊であり、戦術的な単位として機能しました。

褒章と懲罰

コントゥベルニウムは、集団として褒章や懲罰を受ける単位でもありました。同じ集団に所属する者が功績を上げれば、集団全体が恩恵を受け、不名誉な行為があれば、連帯責任を負いました。

特に重い懲罰として知られるのが、十分の一刑（デキマティオ）です。これは、コントゥベルニウムに所属する者が不名誉な行為を行った場合に、集団の中からくじ引きで選ばれた1人を、残りのメンバーが石打ちで処刑するという極刑でした。この過酷な処罰は、兵士たちに規律を守らせ、集団としての責任を強く意識させるためのものでした。

コントゥベルニウムは、ローマ軍団の兵士たちにとって、単なる兵士の集まりではなく、生活を共にし、互いに支え合う共同体としての意味を持っていました。日々の訓練や戦闘を通じて、兵士たちは強い絆で結ばれ、ローマ軍の強さを支える基盤となりました。

関連項目

ローマ軍
エノーモティア：古代ギリシアのファランクスにおける最小編成単位。25～32人で編成されるが、スパルタでは36人（3人横隊×12列）で編成される。

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