コンバージド・エンハンスド・イーサネット

コンバージド・エンハンスド・イーサネット (CEE) について

コンバージド・エンハンスド・イーサネット（Converged Enhanced Ethernet, CEE）は、イーサネットの拡張規格の一つであり、主にサーバー側のインターフェース集約を目的として標準化が進められています。類似の技術としてIEEEのData Center Bridging (DCB) やシスコ独自のData Center Ethernet (DCE) がありますが、これらもインターフェース統合を目指す点で共通しています。

概要

CEEはIBMが提唱し、多くの企業が賛同して業界標準として策定が進められています。10ギガビット・[[イーサネット]]を基盤として拡張されており、ブレードサーバーのバックプレーン設計における多様なインターフェースを一つに統合することで、消費電力の削減やコスト効率の向上が期待されています。従来のイーサネットでは困難であった、ファイバーチャネルプロトコル（FC）のような高信頼性と高性能を兼ね備えた通信を実現するために、様々な規格が採用されています。

2008年2月には、「CEE Authors Group」が設立され、IEEEでの規格標準化を支援しています。参加ベンダーは以下の通りです。

• - 創設メンバー: ブロードコム、ブロケード、シスコ/Nuova、Emulex、IBM、インテル、Qlogic
• - その他のメンバー: デル、富士通セミコンダクター、ヒューレット・パッカード、ジュニパー、マーベル、Mellanox、PLX Technology、Spirent、サン・マイクロシステムズ

用途

従来、LAN、SAN、InfiniBandはそれぞれ異なるインターフェースを必要としていましたが、CEEを利用することで、単一のインターフェースでこれらの通信を統合できます。CEEに対応したスイッチやサーバーアダプタを用いることで、サーバー間の通信やサーバーからファイバーチャネルスイッチへの通信が可能になります。特にイーサネット上でファイバーチャネルを利用できる点が注目されており、これはFCoE（Fibre Channel over Ethernet）というカプセリングプロトコルによって実現されます。

機能

CEEは、以下の規格を採用することで、信頼性と性能を向上させています。

• - Priority-Based Flow Control (PFC): トラフィックの優先度に基づいてフロー制御を行い、高優先度のトラフィックの遅延を抑制します。
• - Enhanced Transmission Selection (ETS): トラフィッククラスごとに帯域を割り当て、品質を保証します。
• - Data Center Bridging Exchange (DCBX): ネットワークデバイス間で設定を自動的に交換するプロトコルで、設定を簡素化します。

アダプタ

イーサネットで使用されるNIC（ネットワークインターフェースカード）、ファイバーチャネルで使用されるHBA（ホストバスアダプタ）、InfiniBandで使用されるHCA（ホストチャネルアダプタ）の機能を統合するため、CEE対応のアダプタはコンバージド・ネットワーク・アダプタ（Converged Network Adapter, CNA）と呼ばれます。

関連項目

• - 10ギガビット・[[イーサネット]]
• - ファイバーチャネル (FC)
• - FCoE (Fibre Channel over Ethernet)
• - Data Center Ethernet (DCE)

外部リンク

• - IEEE Data Center Bridging Task group
• - IETF

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