コンフォーマル・フューエル・タンク

コンフォーマル・フューエル・タンク (CFT) の概要

コンフォーマル・フューエル・タンク（Conformal Fuel Tanks, CFT）は、航空機の機体胴体部分に沿って取り付けられる特殊な増槽です。このタンクは、従来のドロップタンクと比較すると、取り外しができないため、空になった際が不便ですが、その一方でさまざまな利点を持っています。

CFTの特徴と利点

CFTの主な利点は、空気抵抗の低減とレーダー反射断面積（RCS）を小さくできる点です。これにより、航空機の運動能力や生存能力が向上します。また、機体の下部に取り付けられる増槽よりもハードポイントを武装に利用できるため、戦闘機の多様性を高める役割も果たしています。特に戦闘機においては、燃料の追加搭載が可能なため、作戦行動の範囲が広がることも大きな利点です。

対応機種

CFTは多くの現代戦闘機に導入されており、以下に代表的な機種を挙げます。

J-6

中国のJ-6戦闘機は、胴体の下部に1,140リットルの増加燃料タンクを装備することが可能です。このCFTは、J-6を導入したパキスタンによって開発されました。

F-4

アメリカのF-4ファントム戦闘機では、スーパーファントム計画において4,164リットルの燃料を追加できるCFTの搭載が提案されました。

F-15/F-15E

F-15Cは、初めからCFTに対応しており、1974年にはF-15Bを用いてテストが行われました。CFTはそれぞれ849米ガロン（およそ3,213.8リットル）の燃料を収納できます。イスラエル空軍のF-15C/DはCFTを利用している一方、アメリカ空軍のF-15Eも機体組立時にCFTが組み込まれており、外すには改造が必要です。

F-16

F-16C/Dおよびその発展型であるF-16E/F、F-16Iなどの機種には、各450米ガロン（1,703.4リットル）のCFTが装備されており、ギリシャやトルコ、イスラエルなど多くの国へ輸出されています。

F/A-18E/F

アドバンスド・スーパーホーネットでは、片側1,500ポンド、合計で3,000ポンドの燃料を搭載できるCFTが提案されています。これは長距離任務の遂行能力を向上させるものです。

ラファール

フランスのラファール戦闘機では、2001年4月にそれぞれ1,150リットル（300 US gallon）を搭載できるCFTがテストされました。

ユーロファイター タイフーン

BAEは、風洞実験において各1,500リットル（400 US gallon）のCFTをテストした実績があります。

F-CK-1

台湾のF-CK-1戦闘機のプロトタイプではCFTの搭載テストが行われましたが、量産型には装備されていないことが決定されました。

J-10

中国のJ-10戦闘機でも風洞試験が実施されています。

まとめ

コンフォーマル・フューエル・タンクは、近代航空機において欠かせないカルパラントです。その設計により、航空機はより効率的に燃料を利用し、ミッションを成功させる能力を高めることができます。今後も、各国の航空機がこの技術を駆使して、さらなる性能向上が期待されます。

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