コンラート1世 (ケルンテン公)

ケルンテン公コンラート1世：生涯と時代

ケルンテン公コンラート1世（Konrad I., Herzog von Kärnten, 975年ごろ - 1011年12月12日または15日）は、ザーリアー家出身の貴族であり、1004年から1011年までケルンテン公を務めました。彼の生涯は、当時の神聖ローマ帝国の政治情勢と深く結びついていました。

生い立ちと家族

コンラート1世は、ヴォルムスガウ伯オットー1世（老公）の三男として生まれました。彼の兄弟には、後に神聖ローマ皇帝となるコンラート2世の父ハインリヒや、996年に最初のドイツ人教皇となったグレゴリウス5世（ブルーノ）がいます。彼の家系は、皇帝オットー1世の支持者であり、祖父コンラート（赤公）はロートリンゲン公位を与えられ、皇帝の娘と結婚するなど、皇帝との関係を深めました。しかし、953年に反乱に加担し、ロートリンゲン公位を剥奪されるという経験もしています。

ケルンテン公位の継承

コンラートの父オットーは、978年にケルンテン公位を与えられましたが、後に返還。995年に再びケルンテン公位とヴェローナ辺境伯位を与えられました。コンラートは、兄たちが父に先立って死去したため、1004年に父の死後、ケルンテン公位とヴェローナ辺境伯位を継承しました。

結婚と政治的立場

コンラートは、皇帝ハインリヒ2世と敵対していたコンラディン家のシュヴァーベン公ヘルマン2世の娘マティルデと結婚しました。父とは異なり、コンラートはヘルマン2世をドイツ王の候補として支持しました。しかし、この結婚は近親婚であったため、ハインリヒ2世から非難を受けました。

死去とその後

コンラート1世は1011年に死去しましたが、息子コンラートはまだ若年であったため、ケルンテン公位を継承できませんでした。代わりに、マティルデの妹ベアトリクスと結婚していたアダルベロがケルンテン公位を与えられました。コンラートはヴォルムス大聖堂に埋葬され、妻マティルデはその後、ロートリンゲン公フレデリック2世、バレンシュテット伯エジコと再婚しました。

子女

コンラート1世とマティルデの間には、以下の子供がいました。

コンラート2世（1003年ごろ - 1039年） - ケルンテン公（1036年 - 1039年）
ブルーノ（1005年ごろ - 1045年） - ヴュルツブルク司教（1034年 - 1045年）

コンラート1世の生涯は、ザーリアー家の台頭、皇帝との関係、そしてケルンテン公国の政治的変動期を反映しています。彼の死後、ケルンテン公位は一時的に他の家に移りましたが、彼の息子コンラート2世が後に公位を回復しました。

参考文献

Stefan Weinfurter, The Salian Century: Main Currents in an Age of Transition, transl. Barbara M. Bowlus, University of Pennsylvania Press, 1999.
Egon Boshof, Die Salier, Kohlhammer W., 2000.
Herwig Wolfram, Conrad II, 990-1039: Emperor of Three Kingdoms. Translated by Kaiser, Denise A. Pennsylvania University Press, 2006.
Armin Wolf, Königskandidatur und Königsverwandtschaft. In: Deutsches Archiv für Erforschung des Mittelalters. Vol. 47, 1991, pp. 45 – 117.
* Patrick Corbert, Autour de Burchard de Worms, 2001.

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