コンヴェルサーノ

コンヴェルサーノについて

コンヴェルサーノは、イタリア共和国プーリア州バーリ県に位置するコムーネで、約2万6000人が暮らしています。この街は、中世に築かれたコンヴェルサーノ城が丘の上にそびえ立ち、その歴史的な景観が特徴です。かつてはコンヴェルサーノ伯爵領の首府として、また司教座教会や大きな権威を持つ女子修道院が存在したため、この地域の政治・宗教の中心地として重要な役割を果たしていました。

地理

コンヴェルサーノは、以下のコムーネと隣接しています。

カステッラーナ・グロッテ
モーラ・ディ・バーリ
ポリニャーノ・ア・マーレ
プティニャーノ
ルティリアーノ
トゥーリ

歴史

古代

コンヴェルサーノの地には、鉄器時代にノルバという都市がイアーピュゲス人またはペウケティ人によって建設されました。この都市は、近隣のギリシャ植民都市との交易によって発展し、紀元前6世紀には交易都市として繁栄したことが、発掘調査から明らかになっています。紀元前268年にはローマ人に征服され、西暦410年から411年にかけての西ゴート族の侵入時には、すでに放棄されていたと考えられています。

中世

5世紀頃からこの地はカサーレ・クペルサネムと呼ばれるようになり、7世紀には司教座都市となりました。1054年には、ノルマン人のゴッフレドがコンヴェルサーノ伯に任じられ、コンヴェルサーノは大きな伯爵領の首府として重要な地位を占めるようになりました。ゴッフレドの死後、後を継いだアレッサンドロはシチリア王ルッジェーロ2世に敗れ、伯の地位はルッジェーロ2世の義弟であるロベルト1世に与えられました。

その後、コンヴェルサーノ伯の地位はブリエンヌ家、アンギャン家、リュクサンブール＝リニー家、サンセルヴェリーノ家、バルビアーノ家、オルシーニ家、カルドラ家、オルシーニ・デル・バルツォ家と、様々な家系の間で継承されました。

アックアヴィーヴァ家の支配

1455年、ジョヴァンニ・アントニオ・デル・バルツォ・オルシーニの死後、娘のカテリーナが所領を相続し、その夫であるジュリオ・アントニオ・アックアヴィーヴァがコンヴェルサーノ伯となりました。以後、アックアヴィーヴァ家が代々コンヴェルサーノ伯を継承し、19世紀初頭までこの地域を支配しました。

17世紀前半のコンヴェルサーノ伯ジャンジローラモ2世は、勇猛な武人であり、芸術家のパトロンとしても知られていますが、同時に暴君としても知られています。彼はアルベロベッロの開発でも知られています。また、コンヴェルサーノ伯は馬の飼育場を所有し、ネアポリタン種という独自の馬種を育成していました。この馬は、リピッツァナーという馬種を生み出す種牡馬としても有名です。

1690年には、町がペストによって大きな被害を受け、多くの犠牲者を出しました。1806年には封建制が廃止され、コンヴェルサーノは新たな時代を迎えました。

文化・観光・施設

コンヴェルサーノには、以下のような名所があります。

コンヴェルサーノ城：中世に築かれたこの城は、街を見下ろす丘の上に位置し、コンヴェルサーノの主要な名所の一つです。11世紀以降に改築され、15世紀には円形の塔が追加されました。
コンヴェルサーノ大聖堂：ロマネスク様式のこの大聖堂は、11世紀に建設されました。17世紀にはバロック様式の装飾が加えられ、T字型の平面形状とマトロネウム（階上の回廊）が特徴です。
サン・ベネデット修道院：6世紀の創建と伝えられるこの修道院は、プーリア地方で有力な修道院の一つでした。女子修道院長には男性の宗教的シンボルをまとうことが許されており、多くの特権を与えられていたことから「アプリアの不思議」とも呼ばれていました。
その他：巨石の壁、聖コズマ・エ・ダミアーノ教会、聖フランチェスコ教会、聖カテリーナ教会、聖マリア・デリッソラ教会、マルチオーネ城、カスティリオーネの遺跡などがあります。

スポーツ

コンヴェルサーノには、ハンドボールの強豪チームであるHandball Club Conversanoがあり、2000年代以降に数多くのタイトルを獲得しています。

交通

コンヴェルサーノには、スド・エスト鉄道のバーリ＝マルティーナ・フランカ＝ターラント線が通っています。

コンヴェルサーノは、歴史的な建造物や美しい自然に囲まれた魅力的な街であり、多くの観光客にとって訪れる価値のある場所です。

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