コースター (食器)

コースターは、飲み物を入れたグラスやカップの下に敷く小さなマットのことです。コップ敷き、コップ受け、グラス・マットなどの別名もあります。

本来の目的は、冷たい飲み物の結露による水滴からテーブルを守ったり、熱い飲み物による熱の伝わりを遮断することです。特にカクテルを提供する際には、ロングドリンクグラスの下にコースターを敷くのが一般的です。

ドイツ語圏では、コースターは「Bierdeckel（ビアデッケル）」と呼ばれています。これは「ビールの蓋」という意味で、かつて蓋のないビアマグでビールを飲む際に、虫や落ち葉などの異物が飲み物に入るのを防ぐため、フェルト製のコースターを蓋として使用したことに由来します。

コースターの素材は多岐にわたり、紙、コルク、木、布、レース編み、シリコン樹脂などが用いられます。日本の喫茶店では、コルク製や紙製のものがよく見られます。吸水性に優れた素材が適しており、金属、ガラス、陶器などはコースターには不向きとされています。

形状も円形や四角形をはじめ、様々なデザインが存在します。

紙製のコースターは、店舗名や電話番号などを印刷して宣伝媒体として活用されることがあります。また、ビールなどの酒造会社も、自社製品の画像を載せたコースターを製作・配布し、プロモーションに利用しています。ヨーロッパや日本には、ビールコースターの収集家が存在し、交換会なども開催されています。

コースターは、実用的な目的だけでなく、デザイン性や収集の楽しみもあるアイテムとして、世界中で親しまれています。

関連するアイテムとしては、コーヒーなどに使用するカップの受け皿であるソーサーや、煎茶などに用いる茶碗をのせる茶托があります。

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