コーチン王国

コーチン王国（マラヤーラム語：കൊച്ചി പെരുമ്പടപ്പ് സ്വരൂപം、英語：Kingdom of Cochin）は、インド南西部のケーララ地方に位置したヒンドゥー王朝です。この王国は、12世紀初頭にチェーラ朝が衰退する頃から歴史に登場し、1947年のインド独立まで存続しました。別名としてコーチン藩王国とも呼ばれています。

歴史

コーチン王国の歴史は、12世紀初頭、チェーラ朝の衰退とともにその存在が明確になります。15世紀には、イタリアの旅行家ニコラオ・ダ・コンティが1440年にコーチンを訪れ、その旅行記に記録を残しました。

16世紀に入ると、ヨーロッパとの接触が始まり、1500年にはヴァスコ・ダ・ガマがこの地を訪れました。同年、ポルトガル人の居留地が建設され、コーチンは重要な交易拠点としての役割を担うようになります。1509年のディーウ沖の海戦では、コーチン王国の軍勢がポルトガル側について参戦しました。この出来事は、コーチン王国がポルトガルとの間に強固な同盟関係を築いていたことを示しています。

18世紀後半には、コーチン王国はマイソール王国の侵略にさらされます。1773年以降、マイソール王国の侵攻が激化し、1776年にはトリシュールが占領されました。これにより、コーチン王国は多額の貢納をマイソール王国に支払うことを余儀なくされました。この時期は、コーチン王国にとって苦難の時代でした。

1795年、イギリスがオランダからコーチンを占領し、1814年には正式にコーチンを割譲されました。これにより、コーチン王国はイギリスの保護下の藩王国となり、その統治下に入りました。この出来事は、コーチン王国の政治的状況に大きな変化をもたらしました。

1947年8月15日、インド・パキスタン分離独立に伴い、コーチン藩王国はインドに帰属し、その歴史を閉じました。コーチン王国は、長きにわたり地域の歴史と文化に重要な役割を果たし、その影響は現代にも及んでいます。

関連項目

* トラヴァンコール王国

コーチン王国の歴史は、その興隆から衰退、そして最終的なインドへの統合まで、複雑な政治的変動と外部勢力との関係が絡み合っています。この地域の歴史を理解する上で、コーチン王国の存在は非常に重要な要素です。

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