コーラルム線

コーラルム線

コーラルム線（ドイツ語: Koralmbahn）は、グラーツ＝ケーフラッハ鉄道・バス旅客（GKB）が運営する鉄道路線です。路線番号は550。将来的にグラーツとクラーゲンフルトを結ぶ新幹線路線として計画されていますが、現時点では一部区間のみが開業しており、実質的にはヴィース線の一部として機能しています。

歴史

オーストリア＝ハンガリー帝国解体後、既存の南部鉄道におけるマリボル - クラーゲンフルト間の運行が、オーストリアとユーゴスラビアの分割により困難になりました。そのため、コルアルペ山脈を貫通してクラーゲンフルトを結ぶ鉄道計画が検討され、1930年には建設期間3年、建設費7500万シリング（当時の貨幣価値）と予測されました。この計画は、失業対策とシュタイアーマルク州とケルンテン州の課題解決を目的としていましたが、第二次世界大戦後、長らく実現しませんでした。

2006年、EU加盟国の交通相は、グダニスクからボローニャを結ぶ国際回廊を、欧州縦断鉄道網（TEN）の優先路線として選定する計画を発表しました。この路線はバルト海・アドリア海軸の一部であり、その主要構造物がコーラルムトンネルです。2009年3月には「コーラルムトンネル第一工区」の起工式が行われ、トンネル工事が開始されました。一方、バットマンシュテッティン区間はヴィース線と連結され、GKBの通勤列車が2008年7月に運行を開始しました。2010年7月中旬にはヘンスベルクトンネルが完成し、ヴェルンドルフ - ヴェトマンシュテッテン区間が単線・非電化で開通。同年11月には、GKBの新しいGTW気動車が試運転でヘンスベルクトンネルを通過しました。2010年12月には、シュタイアーマルク州S6系統の経路が南部鉄道とヘンスベルク - ヴェトマンシュテッテン区間に変更されました。

コーラルムトンネルは2本の単線トンネルとして建設され、3つの全断面トンネル掘削機が使用されました。2018年8月には南側のトンネルが、2020年6月には北側のトンネルが貫通しました。ドラウ谷線との接続駅となるミトレルン駅は移転され、2020年9月に新たに開業しました。

運行形態

ヘンスベルク - ヴェトマンシュテッテン区間の運賃は、シュタイアーマルク州運輸連合が担当しています。ザンクトパウル - クラーゲンフルト区間は、ケルンテン州運輸連合の運賃が適用されます。グラーツ - ヴェアンドルフ - ヴェトマンシュテッテン - ヴィース間を結ぶ系統で運行され、平日は1～2時間に1本、土曜日は2往復のみ、休日は運休となります。ヴェアンドルフ以北は502号線、ヴェトマンシュテッテン以西はヴィース線に直通します。

駅一覧（開業済区間のみ）

外部リンク

路線経路、主要施設、許容速度: OpenRailwayMap
Koralmbahn (ドイツ語)
* Abenteuer Koralmbahn: Zu bisheriger Geschichte und Strukturen eines österreichischen Eisenbahnprojektes. (ドイツ語)

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