コーラル・シー諸島

コーラル・シー諸島：珊瑚海に浮かぶ自然の楽園

コーラル・シー諸島は、オーストラリアのクイーンズランド州北東、広大な珊瑚海に散らばるオーストラリア領の島々です。その範囲は約780,000平方キロメートルにも及び、グレート・バリア・リーフの一部に接しています。諸島を構成するのは、小さな島や岩礁がほとんどで、人が定住しているのはウィリス島にある気象観測所のみです。

無人の島々が織りなす自然保護区

コーラル・シー諸島の島々は、手つかずの自然が残る貴重な場所です。人がほとんど住んでいないため、海鳥やウミガメにとっては格好の繁殖地となっています。確認されているだけでも、アジサシ亜科やカツオドリ属など、24種類もの海鳥が生息しています。また、アオウミガメとタイマイという2種類のウミガメも、この地で繁殖を行います。

歴史とラムサール条約登録

コーラル・シー諸島は1803年に発見されました。1870年代から1880年代にかけては、一時的にグアノの採掘が行われたこともありましたが、島内で真水を得ることができなかったため、開発は断念されました。しかし、このことが結果的に島の自然を守ることに繋がりました。2002年には、周辺の珊瑚海海域とともにラムサール条約に登録され、国際的にもその重要性が認められています。

渡り鳥保護における国際協力

コーラル・シー諸島は、多くの渡り鳥の中継地としても重要な役割を果たしています。絶滅危惧種に指定されている渡り鳥も確認されており、これらの鳥を守るため、日本とオーストラリア、中国とオーストラリアの間で保護条約が締結されています。これにより、渡り鳥の保護に向けた国際的な協力体制が構築されています。

コーラル・シー諸島は、その広大な範囲と多様な生態系を持つ、まさに自然の宝庫です。人の手がほとんど入っていないからこそ、貴重な動植物が生き残り、独自の生態系が育まれています。今後もこの自然を守り、次世代に引き継いでいくことが、私たちの責務と言えるでしょう。

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