コール (玉置浩二の曲)

玉置浩二「コール」：時代を超えて響く感動のバラード

「コール」は、日本のシンガーソングライター、玉置浩二が1993年1月30日にリリースした6枚目のシングルです。前作「行かないで」から約3年2ヶ月ぶりのリリースとなりました。作詞は須藤晃、作曲とプロデュースは玉置浩二自身が担当。

制作背景

この楽曲は、玉置浩二のソロアルバム『あこがれ』からの先行シングルとして発表されました。当時、安全地帯は活動休止期間に入っており、玉置はソロ活動に力を入れていました。作詞に意欲を見せていた玉置でしたが、デビュー以来作詞経験がほとんどなく、難航していたため、音楽プロデューサーの須藤晃に依頼することになりました。

須藤晃は、浜田省吾や尾崎豊など、数々のシンガーソングライターの作品を手がけてきた人物です。当初、玉置浩二との接点を感じていなかった須藤ですが、玉置の音楽に対する真摯な姿勢と、精神性を重視した言葉を求める姿勢に共感し、作詞を承諾しました。玉置は須藤の歌詞を絶賛し、安全地帯時代の作詞家、松井五郎も「浩二も須藤さんと出会って、すごく刺激になったと思う」と語っています。

楽曲の特徴

「コール」は、シンプルな言葉とメロディで構成されたオーケストラによる楽曲です。編曲は、星勝と玉置浩二の共同で行われました。その音楽性について、ベスト・アルバム『ALL TIME BEST』の楽曲解説では、「シンプルな言葉とメロディを感動的なオーケストレーションが盛り上げる」と評されています。

当時、玉置の妻であった薬師丸ひろ子主演の東宝映画『ナースコール』の主題歌として使用されたことも、楽曲の知名度を高める要因となりました。

リリースとチャート成績

「コール」は、Kitty Recordsから8センチCDとしてリリースされました。カップリング曲は、パナソニックのビデオカメラ「ブレンビー」のコマーシャルソングとして使用された「大切な時間（とき）」です。

オリコンシングルチャートでは最高位22位、登場週数は7回、売り上げ枚数は10.4万枚を記録しました。玉置浩二のシングル売上ランキングでは5位にランクインしています。

ライブパフォーマンスとカバー

玉置浩二は、テレビ朝日系音楽番組『ミュージックステーション』などで「コール」を披露しました。特に、『ミュージックステーション』ではギター一本での弾き語りで披露し、その歌唱力と表現力で視聴者を魅了しました。

「コール」は、様々なアーティストによってカバーされています。テレサ・テンは、北京語バージョン「現在你會在哪裡」としてアルバムに収録しています。また、薬師丸ひろ子もアルバム『Cinema Songs』でこの曲をカバーしており、災害や病気など苦しい環境や状況にいる人々へ曲に込められたメッセージを届けたいと語っています。

薬師丸は、NHKの音楽番組『The Covers』でも「コール」をカバーし、「コロナ禍の今だからこそ、届けたいメッセージが詰まっている」とコメントしました。

まとめ

「コール」は、玉置浩二の音楽キャリアにおいて重要な一曲であり、時代を超えて多くの人々に愛され続けています。シンプルな歌詞と美しいメロディ、そして感動的なオーケストレーションが、聴く人の心を揺さぶります。薬師丸ひろ子によるカバーも、この楽曲の魅力をさらに広げるものとなりました。

この楽曲は、玉置浩二の精神性と音楽性が凝縮された、まさに名曲と呼ぶにふさわしい作品です。

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