Cinema Songs

『Cinema Songs』

『Cinema Songs』（シネマ ソングス）は、薬師丸ひろ子が手がけたカバーアルバムであり、2016年11月23日にビクターエンタテインメントからリリースされました。アルバムは映画音楽のスタンダード曲を中心に構成されており、彼女の選曲によって多彩なジャンルの楽曲が収められています。

アルバムの概要

このアルバムでは、薬師丸自身が厳選した国内外の名曲が収録され、前作『時の扉』に引き続き、吉俣良が編曲を担当しています。また、ジャケットの撮影には下村一喜が起用され、ビジュアル面でも注目を集めました。初回生産分にはボーナストラックとして「セーラー服と機関銃〜Anniversary Version〜」が含まれており、ファンには嬉しい要素も加わっています。

選曲に際しては、薬師丸自身が歌いたいと思う楽曲に焦点を当て、歌の世界の先輩たちから受け継いだ「歌いたいものを歌え」という信念が貫かれています。当初は英語の楽曲のみの収録が考えられましたが、日本語の素晴らしい訳詞の存在を考慮し、英語と日本語両方の曲が選ばれることとなりました。選ばれた音楽作品は、1950年代から1970年代の楽曲が中心であり、主題歌ではないが印象深い曲も選ばれています。

コンサートと反響

アルバムの発売に先立ち、2016年9月には『世界遺産劇場 春日大社 第六十次式年造替奉祝 薬師丸ひろ子コンサート』が開催されました。そこでは「戦士の休息」「愛のバラード」「ムーン・リバー」の3曲を披露し、観客を魅了しました。また、11月にはアルバム発売を記念する『Premium Acoustic Night 〜シネマソングス〜』がビルボードライブ東京で実施され、さらなる追加公演も計画されました。

著名な音楽評論家である麻倉怜士は、ハイレゾ化された『Cinema Songs』の中でも特に「カヴァティーナ」が薬師丸の魅力を際立たせていると評価しています。また、アルバム収録の「追憶」は、2017年4月放送のフジテレビ系ドラマスペシャル『女の勲章』の主題歌にも起用され、メディアでの注目も集めました。

さらに、アルバムのファンには嬉しいニュースとして、2019年3月31日には新たなマスター音源を使用したアナログLPがリリースされています。その登場週数はオリコンチャートで8週、最高順位は28位、最終的なセールスは7,811枚という成果を記録しました。

収録曲の特徴

このアルバムには多彩な楽曲が収録されており、代表曲としては「ムーン・リバー」や「Smoke Gets In Your Eyes」、「Mr.Sandman」、「ベンのテーマ」などがあります。特に「ムーン・リバー」は、オードリー・ヘプバーンが主演する映画『ティファニーで朝食を』の主題歌として知られ、多くの人に親しまれています。

また、薬師丸の思い出に結びつく「ベンのテーマ」や、彼女のデビュー作『ナースコール』の主題歌である「コール」など、個人的なエピソードに繋がる楽曲もあります。これらの楽曲を通じて、アルバム全体に薬師丸ひろ子の魅力が詰まっており、彼女の歌声の奥深さを感じることができます。

このように『Cinema Songs』は、薬師丸ひろ子のキャリアの中でも特に特別な意味を持つアルバムとなっており、映画音楽の魅力を再確認できる作品として、多くのリスナーに愛されています。

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