コールウェイティング

コールウェイティング（キャッチホン）とは

コールウェイティングは、通話中に別の電話の着信があった場合に、現在通話中の相手を一時的に保留状態にし、新たに着信した電話を受けることができる電話サービスです。このサービスを利用することで、電話をかけてきた側は通話中であることを知らされずに済みます。特に、商店などの注文受付で使用される電話回線では、顧客からの着信を逃さないために重宝されています。

日本では、NTTが「キャッチホン」という登録商標でこのサービスを提供していたため、この名称（通称「キャッチ」）が広く普及しました。しかし、NTTグループ以外の各社では、「割込通話」など、別の名称で同様の機能が提供されています。

固定電話におけるキャッチホンの歴史

NTTの前身である日本電信電話公社は、1970年11月1日に「キャッチホン」サービスを開始しました。しかし、本格的な普及は、電電公社がNTTに転換した1985年頃からでした。この時期にはパソコン通信が普及し始めたこともあり、キャッチホンを契約した回線でパソコン通信を行っている際に別の電話が着信すると、通信が切断されるという問題がありました。これは、着信を受けられるようにするために、通信を中断する必要があったためです。

その後、この問題に対処するため、1995年7月3日から「キャッチホンII」が開始されました。このサービスでは、電話機からの指示でキャッチホン機能を一時的に停止することができ、停止中に着信があった場合には、センターでメッセージを預かる形に変更されました。これにより、データ通信が途絶える問題は改善されました。しかし、ブロードバンドインターネット接続の普及により、アナログ電話回線によるダイヤルアップ接続の利用は徐々に減少しました。その結果、キャッチホンIIは2014年2月28日をもって新規申し込みの受付を終了し、2016年1月4日から2月29日の間に順次サービス廃止工事が実施され、2016年2月29日をもって完全に終了しました。

直収電話におけるコールウェイティング

固定電話の回線を使用するサービスを提供する事業者でも、同様のサービスが提供されています。例えば、KDDIの「メタルプラス」では「割込通話」として、ソフトバンクテレコムの「おとくライン」では「キャッチ電話サービス」という名称で、コールウェイティング機能が提供されています。

携帯電話におけるコールウェイティング

携帯電話でも、コールウェイティングは標準的な機能として提供されています。2015年1月現在、NTTドコモでは「キャッチホン」、auでは「割込通話サービス」、ソフトバンクモバイル・Y!mobile（PHSを含む）では「割込通話」として、同様のサービスが利用可能です。ただし、PHSでは一部非対応の機種も存在します。

関連機能

コールウェイティングと関連するサービスとして、以下のものがあります。

留守番電話: 電話に出られない場合に、発信者からのメッセージを録音する機能。
転送電話: かかってきた電話を別の電話番号に転送する機能。
フックスイッチ: 電話機で通話中に保留などの操作を行うためのスイッチ。

外部リンク

キャッチホン - NTT東日本
* キャッチホン/INSキャッチホン - NTT西日本

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