コールバーグ・クラビス・ロバーツ

コールバーグ・クラビス・ロバーツ (KKR) の概要

コールバーグ・クラビス・ロバーツ（KKR）は、1976年に設立されたアメリカのプライベート・エクイティファンドで、未公開株やエネルギー、インフラ、不動産、クレジット、ヘッジファンドの分野で活動しています。設立当初は、ジェローム・コールバーグ・ジュニア、ヘンリー・クラビス、ジョージ・ロバーツの3名が中心となり、新たな投資手法としてレバレッジド・バイアウト（LBO）を推進し、結果としてプライベート・エクイティファンドの先駆者となりました。KKRの本社はニューヨークに位置しており、世界各地に26のオフィスを展開しています。サンフランシスコやヒューストン、ロンドン、東京など、多くの都市にオフィスを持ち、約1400名の従業員が在籍しています。

組織構成と業務内容

KKRは450名以上の投資の専門家を抱えており、ポートフォリオには103社が含まれています。これらの企業は年間2180億ドルという驚異的な売上を記録しており、KKRはその中で影響力を持っています。特に、KKRの日本法人として東京都千代田区に所在する株式会社KKRジャパンやKKRキャピタル・マーケッツは、日本市場でも積極的に投資活動を行っています。

主な投資案件

KKRの著名な投資事例の一つに、1986年に行ったアメリカのスーパーマーケットチェーン「セイフウェイ」の友好的買収が挙げられます。この買収は、敵対的買収から経営陣を守るためのものであり、その後1990年には再上場を果たしました。さらに1989年には、食品・タバコメーカーの「RJRナビスコ」を250億ドルで買収し、これは当時最大のLBO案件となりました。

1995年には「ボーデン」を買収し、また2006年には「ホスピタルコーポレーション・オブ・アメリカ（HCA）」を316億ドルで買収しました。このHCAの買収は、再上場後の評価が高まり、特に2011年の再上場時には1262億株が公開されました。これにより、KKRはさらにその実績を証明しました。

また、2017年には自動車部品メーカー「カルソニックカンセイ」を傘下のCKホールディングスを通じて買収し、翌年にはフィアット・クライスラー・オートモービルズの部品部門を取得しました。これにより、KKRは自動車部品製造業においても重要なプレーヤーとなりました。

2020年には、ウォルマートが保有していた西友の株式の大部分をKKRが取得し、小売業の再生に向けての取り組みを始めました。これは日本市場におけるKKRの戦略的な動きとされています。

関係する人物

KKR日本法人の元会長である蓑田秀策や、日本法人社長の平野博文は、日本市場におけるKKRの影響力を高める重要な役割を果たしてきました。平野氏は、企業再生専門のコンサルティング会社の代表としても知られています。

KKRの成功は、厳格な投資基準とともに、世界中の市場での柔軟な戦略によるものです。今後も、その成長と進化に注目が集まることでしょう。

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