フィアット・クライスラー・オートモービルズ

フィアット・クライスラー・オートモービルズ概要

フィアット・クライスラー・オートモービルズ（略称FCA）は、かつて世界的な自動車製造及び販売を行っていた持株会社です。2014年にイタリアのフィアットとアメリカのクライスラーが合併し、FCAが誕生しました。2021年にはグループPSAとの経営統合を経て、現在ではステランティス N.V.に変わっています。

登記上の本社はオランダのアムステルダムに位置し、税務上の本社はイギリスのロンドンにあります。また、フィアット・クライスラー・オートモービルズの傘下にあったフィアットグループ・オートモビルズおよびクライスラーグループは、それぞれFCA Italy SpAおよびFCA US LLCと改称されました。

創設以来、フィアットの創業家であるアニェッリ家が主要な株主であり、その投資会社エクソールを通じて29.41%の株式を保有し、議決権では44.31%に達しています。会長のジョン・エルカーンもアニェッリ家の一員として企業運営において重要な役割を果たしていました。

沿革

FCAの歴史は2009年に遡ります。当時、フィアットは経営が厳しいクライスラーへの資本参加を発表し、2014年1月にはクライスラーの株式を完全に買収しました。その結果、同年10月12日にはフィアット・クライスラー・オートモービルズが設立されました。特に、この合併により、両ブランドの製品ラインを統一し、規模の経済を享受することが可能になりました。

2016年には、傘下にあったフェラーリが独立したことで、FCAは他のブランドに資源を集中することができました。現状では40カ国以上に拠点を持ち、140カ国以上で車両を販売しています。特に日本では2012年に「フィアット クライスラー ジャパン」が設立され、区分されたフィアットとクライスラーが統合され、2015年には「FCAジャパン株式会社」と名称が変更されました。東京の港区に本社を持ち、その後の成長を支えています。

また、FCAは関連会社として大手自動車部品メーカーのマニエッティ・マレリを保有していましたが、2018年にはカルソニックカンセイに売却しました。その後も部品供給においては協力関係を維持しています。

法的問題と統合

2019年には、FCAが製造するディーゼル車両に排気ガス試験を不正にするソフトウェアが搭載されていたことが発覚しました。この問題はアメリカ司法省との間で和解が成立し、FCAは5億1500万ドルを支払うことになりました。FCAは、この問題に関して意図的な関与を否定しました。

同年10月、FCAはグループPSAとの統合を発表し、両社の株主による7年間の出資合意がなされました。そして、2020年には新たな企業名が「ステランティス」となることが正式に発表されました。

主要ブランド

FCAの保有するブランドには、イタリアのフィアット、アルファロメオ、アバルト、ランチア、マセラティ、アメリカのクライスラー、ジープ、ダッジ、ラム・トラックスなどがありました。これらのブランドは、それぞれ独自の市場セグメントにターゲティングしており、様々な顧客ニーズに応える製品ラインを展開しています。FCAは、今後も自動車業界での影響力を発揮し続けることでしょう。

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