ゴジラ1985

ゴジラ1985

『ゴジラ1985』（GODZILLA 1985）は、アメリカにおける1985年の怪獣映画で、日本の『ゴジラ』を再編集し、英語版に吹き替えたものです。監督はR・J・カイザーと橋本幸治がクレジットされていますが、日本版の内容を再構成して新しいシーンを追加して制作されています。

背景

本作は、日本の『ゴジラ』（1984）を基にしており、大手撮影スタジオが当初は権利交渉を行っていましたが、最終的にはインディペンデント映画のニューワールド・ピクチャーズが権利を取得することとなりました。作品は、50万ドルの権利料、20万ドルの追加撮影費、250万ドルの宣伝費をかけ、合計320万ドルで製作されました。

ストーリーの要約

物語は、日本の漁船「第五八幡丸」が巨大怪獣に襲われるところから始まります。報道記者の牧吾郎は唯一の生存者を助けるが、政府はパニックを避けるためにゴジラの存在を隠そうとします。しかし、ゴジラが登場したことで日本とアメリカの間に緊迫した状況が生まれます。緊張が高まる中、ゴジラが日本の原子力発電所を襲撃し、さらなる危機が訪れます。

自衛隊はこれに対抗するために「スーパーX」を出動させ、科学者の林田信と協力してゴジラを誘導しようとします。また、アメリカ側では過去にゴジラを知っているスティーブ・マーティンが対策会議に参加し、事態の収拾に向けて動きます。そして、様々な戦術を駆使してゴジラを三原山へ誘導する最終作戦が展開されます。

音楽と追加シーン

音楽は、小六禮次郎とクリストファー・ヤングによるもので、作中では日本版のオリジナル音楽と新たに作られた楽曲が混合されています。また、ドクターペッパーがスポンサーとなり、宣伝キャンペーンでも取り上げられました。

評価と反響

公開後『ゴジラ1985』は、批評家からの評判は芳しくなく、特に脚本の一貫性や映像の質に対して厳しい意見が寄せられました。有名な映画評論家ロジャー・イーバートは極めて低い評価を下し、ストーリーやキャラクターの設定の不十分さを指摘しました。しかし一方では、VHSによる再販では一定の成功を収めており、多くのファンに覚えられた作品となりました。

まとめ

『ゴジラ1985』は、日本の名作を基にしたアメリカ版の独特な解釈が特徴的な作品です。怪獣を巡るストーリー展開や、社会的なテーマが織り交ぜられた内容は、今なお語り継がれる映画の一つです。時代背景や政治的な問題も含め、観客に考えさせる要素があり、ある意味でゴジラシリーズの新たな方向性を示したとも言えます。

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