ゴッズ

ゴッズ (The Gods)

ゴッズは、1965年から1969年にかけて活動したイギリスのロックバンドです。黎明期のミック・テイラー（ローリング・ストーンズ）、ジョン・グラスコック（ジェスロ・タル）、ケン・ヘンズレー（ユーライア・ヒープ）といった、後に音楽史に名を残すメンバーが在籍していました。さらに、ポール・ニュートン、リー・カースレイク、グレッグ・レイクも一時的に参加し、その才能を発揮しました。

略歴

ミック・テイラー、ブライアン・グラスコック、そして彼の弟ジョンは、ハットフィールドの学友でした。1962年、「The Juniors」または「The Strangers」として活動を開始し、EMI / コロムビア・レコードと契約。1964年にシングル「There's a Pretty Girl / Pocket Size」でデビューしました。

1965年、バンドは大きく変貌を遂げます。ミック・テイラーはギターに専念し、ケン・ヘンズレー（オルガン、ボーカル）、ジョー・コーナス（ギター、ボーカル）が加入。バンド名も新たに「ゴッズ」と改められました。1966年には、ロンドンのスターライト・ボールルームでクリームのオープニングアクトを務めるなど、着実にその名を知らしめていきます。1967年初頭には、ポリドール・レコードでシングル「Come On Down To My Boat Baby / Garage Man」をレコーディング。この頃のメンバーは、テイラー、ヘンズレー、ジョン・グラスコック、コーナスでした。

1967年5月、ミック・テイラーはジョン・メイオールからブルースブレイカーズへの加入を誘われ、バンドを脱退します。残されたメンバーは、ロンドンのマーキー・クラブを拠点に活動を続け、ローリング・ストーンズの後継者としての地位を確立しようと試みました。ベーシストはジョン・グラスコックからポール・ニュートン、そしてグレッグ・レイクへと交代しましたが、レイクは短期間で脱退。ジョン・グラスコックが再びバンドに戻りました。

ジョン・グラスコック復帰後、ゴッズは『ジェネシス』（1968年）と『トゥ・サミュエル・ア・サン』（1969年）という2枚のプログレッシブ・ロック・アルバムをリリース。ビートルズのカバー「ヘイ・ブルドッグ」は、コンピレーション・アルバム『The Great British Psychedelic Trip Vol. 3』にも収録され、彼らの代表曲の一つとなりました。ゴッズは、サイケデリックとプログレッシブな音楽を融合させ、独自のサウンドを追求しました。

アルバム『ジェネシス』に収録された「Towards The Skies」や「Time And Eternity」といった楽曲は、重々しいハモンドオルガンと歪んだギターリフが特徴的で、ケン・ヘンズレーのドラマチックなボーカルが楽曲に深みを与えています。「Radio Show」や「Yes I Cry」といった楽曲は、1960年代後半のポップ/ロックの典型的なスタイルを示しています。『ウエスト・サイド物語』の「Maria」のカバーは、ヴァニラ・ファッジを彷彿とさせるアレンジが施されています。「Candlelight」や「Real Love Guaranteed」といった楽曲には、ヘンズレーとカースレイクが後にユーライア・ヒープで展開する、よりヘヴィなサウンドの萌芽が見られます。

1969年6月、ゴッズは新しいレコード会社と契約し、クリフ・ベネット・アンド・ザ・レベル・ラウザーズのクリフ・ベネットを迎え入れ、トー・ファット (Toe Fat）を結成しました。1970年には、ヘンズレー、ジョン・グラスコック、コーナス、カースレイクが、ヘッド・マシーン（Head Machine）名義でアルバム『Orgasm』を発表しました。

メンバー

ケン・ヘンズレー (Ken Hensley) - オルガン、ギター、ボーカル (1965年-1969年) ※ユーライア・ヒープ、ブラックフット。2020年死去。
ジョー・コーナス (Joe Konas) - ギター、ボーカル (1965年-1969年)
ジョン・グラスコック (John Glascock) - ベース (1965年-1967年、1968年-1969年) ※カルメン、ジェスロ・タル。1979年死去。
ミック・テイラー (Mick Taylor) - ギター (1965年-1967年) ※ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ、ローリング・ストーンズ
ブライアン・グラスコック (Brian Glascock) - ドラム (1965年-1967年)
リー・カースレイク (Lee Kerslake) - ドラム (1967年-1969年) ※ユーライア・ヒープ、オジー・オズボーン・バンド。2020年死去。
ポール・ニュートン (Paul Newton) - ベース (1967年-1968年) ※ユーライア・ヒープ
グレッグ・レイク (Greg Lake) - ベース (1968年) ※キング・クリムゾン、エマーソン・レイク・アンド・パーマー。2016年死去
アラン・シャクロック (Alan Shacklock) - ギター (1969年) ※ベーブ・ルース
クリフ・ベネット (Cliff Bennett) - ボーカル (1969年)

ディスコグラフィ

アルバム

『ジェネシス』 - Genesis (1968年、Columbia)
『トゥ・サミュエル・ア・サン』 - To Samuel a Son (1969年、Columbia)
Orgasm (1970年、Major Minor) ※Head Machine名義

シングル

"Come On Down to My Boat Baby" / "Garage Man" (1967年、Polydor 56168)
"Baby's Rich" / "Somewhere in the Street" (1968年、Columbia DB 8486)
「ヘイ・ブルドッグ」 - "Hey Bulldog" / "Real Love Guaranteed" (1969年、Columbia DB 8544)
"Maria" (from West Side Story) / "Long Time Sad Time Bad Time" (1969年、Columbia DB 8572)

関連項目

ヒプノシス - 2枚のアルバムでカバーを担当
ユーライア・ヒープ
グレッグ・レイク

外部リンク

* ゴッズ - Discogs（英語）

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