ゴッドゲーム

ゴッドゲームとは

ゴッドゲーム（God game）は、コンピュータゲームのジャンルの一つで、シミュレーションゲームに分類されます。プレイヤーがゲーム世界の全能の神、あるいはそれに近い存在として、世界に干渉する点が特徴です。多くの場合、リアルタイムストラテジーの要素を含んでいます。

特徴

ゴッドゲームは、神の視点を表現するため、見下ろし型の画面構成が一般的です。この点はミニスケープゲームと共通しますが、ゴッドゲームではプレイヤーがゲーム世界そのものに直接的な影響を与える能力を持ちます。プレイヤーは神として、ゲーム世界で発生する現象を統合的に把握し、様々な行動を選択できます。

ただし、プレイヤーは全能の神ではありません。ゲーム内の操作は、あらかじめプログラミングされた選択肢に限られ、資源や時間にも制約があります。また、競争相手となるアルゴリズムや他のプレイヤーの行動は、事前に知ることができません。プレイヤーは、これらの制約の中でゲームを進めていく必要があります。

ゴッドゲームの誕生

ゴッドゲームの概念は、1989年に登場した『ポピュラス』によって確立されました。それ以前には、シミュレーションゲームの中で明確なジャンル分けがされていませんでした。『ポピュラス』では、プレイヤーは神としてゲーム世界を支配し、天変地異を用いて自陣営の民族を繁栄させ、敵対する民族を弱体化させることが目的となります。このゲームでは、個々の住人を直接操作することはできませんが、全体を導くことは可能です。

ゴッドゲームの発展と多様化

『ポピュラス』のブーム以降、様々な神の視点ゲームが登場しました。しかし、ミニスケープゲームとの区別は曖昧なままです。また、『ポピュラス』の作者であるピーター・モリニューは、後にダンジョン育成ゲーム『ダンジョンキーパー』を開発しました。このゲームでは、プレイヤーはダンジョンに住むクリーチャーを直接移動させたり、憑依して操作したりできます。このように、ゴッドゲームは他のジャンルの要素を取り込み、多様化しています。その結果、明確なジャンル分けが難しい分野となっています。

主なゴッドゲーム

ポピュラス
ゴッドゲームの代表作であり、ジャンルを確立した作品です。
アクトレイザー
シミュレーションパートがゴッドゲームに該当します。
シムアント

関連用語

ミニスケープ
限られた環境にプレイヤーが干渉し、状況の変化を楽しむゲームです。
バーチャルペット
目的なく、好きな時に干渉して眺めるだけのコンピュータプログラムです。
セル・オートマトン
人工生命の挙動を観察する学術分野です。


ゴッドゲームは、プレイヤーが神の視点から世界に干渉するというユニークな体験を提供します。ジャンルの多様化が進む中で、今後どのような作品が登場するのか、目が離せません。

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