ゴム州

ゴム州の概要

ゴム州（ゴムしゅう）は、イランの北部に位置する州で、国土の約0.89%を占める面積11,237平方キロメートルを持っています。州都であるゴム市は、その歴史的背景と豊かな文化で知られ、イラン全体における重要な地域の一つです。この州は1995年、テヘラーン州から分割されて誕生し、1996年には約853,000人の人口を有していました。そのうち91.2%が都市部に住み、8.8%が農村部に居住しています。ゴム州内には1市、4郡、9地域行政区、256の村が存在しており、地域の多様性を反映しています。

地理と気候

ゴム州の地理的特徴は、主に砂漠気候と半砂漠気候の中間に位置し、山岳地帯、山麓、平原の三つの異なる地域で構成されています。周囲の乾燥した環境や海からの距離が影響し、湿度は低く降水量も少ないため、農業が難しい地域が多くなっています。特に塩湖に近い場所では全く農業が行えません。州内には二つの大きな塩湖が存在します。一つはホウゼ・ソルターン湖で、もう一つのナマク湖はさらに大きく、観光客にも人気のスポットです。

歴史と文化

ゴムの歴史は古く、イスラーム以前から人々が居住していたことが遺跡の発掘によって確認されています。例えば、紀元前第5千年紀にまで遡る遺構が発見され、当時は大都市でした。735年にはゴムがイスラーム勢力によって征服され、その後長い間様々な政権下に置かれました。特にウマイヤ朝やアッバース朝の時代には多くの女性や子どもが迫害を受け、その後、シーア派のブワイフ朝の統治下では発展を遂げました。

ゴムはまた、シーア派の重要な聖地としても知られており、1503年までに学問の中心として名を馳せました。さらに、アフガーン族やティームールなどによる侵攻や虐殺を経ても、ガージャール朝の時代には隆盛を極め、特にハズラテ・マアスーメ廟はその特徴的なランドマークです。20世紀に入ってからも、ゴムはホメイニーにとって抵抗運動の中心となり、イラン・イスラーム革命の舞台ともなりました。

現代のゴム州

現在のゴムは、世界中のシーア派学問の中心地とされ、多くの神学校や文化施設が存在しています。また、ハズラテ・マアスーメ廟をはじめとする観光名所が多く、国内外の巡礼者や観光客を引き寄せています。テフラーンとの近接性も、ゴムの魅力の一因となっており、多くの経済活動や研究が行われています。

主な高等教育機関

ゴムには様々な高等教育機関があり、以下のような大学や神学校が存在します：

• - ゴム・シェイフ・モフィード大学
• - ゴム大学
• - イスラーム自由大学ゴム
• - エマーム・ホメイニー研究教育大学
• - ゴム医科大学

観光名所

ゴム州には195ヵ所の歴史的文化的遺産が登録されており、訪れる価値のあるスポットとして以下が挙げられます：

• - キャハク渓谷
• - ヴァシュヌーフ渓谷
• - ホウゼ・ソルターン塩湖
• - ナマク塩湖
• - マルアシー・ナジャフィー図書館
• - ほか、多くのモスクや神学校

このように、ゴム州は歴史、文化、教育の面で非常に重要な地となっており、シーア派の信仰の要所として、訪れる人々に深い感銘を与え続けています。

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