ゴルゴタの丘 (アルバム)

W.A.S.P.の15作目のスタジオ・アルバム『ゴルゴタの丘』（原題：Golgotha）は、2015年に発表されました。前作から6年ぶりのリリースであり、バンドが新たに契約したオーストリアのレーベル、ナパーム・レコードから発売されました。

制作の背景

ブラッキー・ローレスによれば、2011年春には既に次作アルバムの制作に着手していました。しかし、2012年にはバンド結成30周年ツアーが始まり、翌2013年5月にはローレスが足を骨折したため、制作は一時中断されました。

収録曲の「ラスト・ランナウェイ」は、ローレスが10代の頃にハリウッドへ移住した際の自伝的な内容となっています。また、「ミス・ユー」は、アルバム『クリムゾン・アイドル』（1992年）の頃に制作されたものの、当時は未発表となっていた楽曲です。

長年W.A.S.P.を支えてきたドラマーのマイク・デュプキーは、本作のレコーディングには参加しましたが、アルバムのリリース前にバンドを脱退しています。

反響と評価

本作は、W.A.S.P.の母国アメリカで、『ヘッドレス・チルドレン』（1989年）以来26年ぶりにBillboard 200にランクインし、最高93位を記録しました。また、Billboardのハード・ロック・アルバム・チャートでは5位、インディペンデント・アルバム・チャートでは9位、ロック・アルバム・チャートでは13位に達するなど、各チャートで高い評価を得ました。

全英アルバムチャートでは50位となり、『KILL FUCK DIE』（1997年）以来18年ぶりの全英トップ100アルバムとなりました。

Blabbermouth.netのレビューで、Ray Van Horn Jr.は10点満点中8.5点を付け、「構造的には以前のW.A.S.P.のアルバムと変わりないが、バンドの近作よりも遙かに引き締まっており、成熟して、新たな魅力もある」と評しました。

『YOUNG GUITAR』誌の小澤明久は、「前半はカラッと元気な、それでいて毒素も持ち合わせたアメリカン・ハード・ロック、後半は楽曲構成が複雑になって大いにシリアス味を帯び、名作『THE CRIMSON IDOL』（'92年）にも通じる雰囲気を醸している」と評価しています。

収録曲

全曲ブラッキー・ローレスによる作詞作曲です。

1. スクリーム - Scream - 4:56
2. ラスト・ランナウェイ - Last Runaway - 5:20
3. ショットガン - Shotgun - 6:07
4. ミス・ユー - Miss You - 7:41
5. フォーレン・アンダー - Fallen Under - 4:56
6. スレイヴズ・オブ・ザ・ニュー・ワールド・オーダー - Slaves of the New World Order - 7:44
7. アイズ・オブ・マイ・メイカー - Eyes of My Maker - 5:01
8. ヒーロー・オブ・ザ・ワールド - Hero of the World - 4:51
9. ゴルゴタの丘 - Golgotha - 7:39

日本盤ボーナス・トラック

10. ショットガン（オルタネイティヴ・ヴァージョン） - Shotgun (Alternative Version) - 5:02

参加ミュージシャン

ブラッキー・ローレス - リード・ボーカル、ギター、キーボード
ダグ・ブレアー - リードギター、ボーカル
マイク・デューダ - ベース、ボーカル
マイク・デュプキー - ドラムス

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