ゴーティエ・カピュソン

ゴーティエ・カピュソン

フランス出身のチェリスト、ゴーティエ・カピュソンは、1981年9月3日にサヴォワ県シャンベリで生まれました。彼は4歳という幼い頃からチェロの手ほどきを受け、音楽の道を歩み始めます。パリ地方音楽院でアニー・コシェ＝ザキンに師事し、その基礎を固めた後、パリ国立高等音楽・舞踊学校に進み、フィリップ・ミラーのもとで学びを深めました。さらに、ウィーンでは高名なチェリスト、ハインリッヒ・シフのマスタークラスに参加し、自身の演奏に磨きをかけました。

国際的な舞台での彼の活躍は目覚ましく、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団、パリ管弦楽団といった、世界屈指のオーケストラとソリストとして数多く共演しています。その豊かな音色と確かなテクニックは、聴衆や評論家から高い評価を得ています。

室内楽の分野でも非常に精力的に活動しており、ユジャ・ワン、エフゲニー・キーシン、マルタ・アルゲリッチ、ダニール・トリフォノフといった世界的なピアニストたちと共演を重ねています。また、ヴァイオリニストである兄のルノー・カピュソンとは兄弟ならではの息の合った演奏で知られ、度々共演して室内楽作品の演奏や録音を行っています。

彼は演奏活動に加え、教育者としても貢献しています。2014年には、ルイ・ヴィトン財団の支援のもと、パリに「チェロ・エクセレンス・クラス」を設立。2021年までこのクラスで指導にあたり、次世代のチェリスト育成に情熱を注ぎました。

カピュソンは、いくつかの貴重な名器を貸与されて演奏活動に使用しています。現在、1701年製のマッテオ・ゴフリラーによって製作されたチェロを主に演奏しています。また、1746年にJoseph Contrerasが製作したチェロも借用して保有しており、これらの歴史ある楽器が彼の音楽表現を支えています。

若き頃からその才能は高く評価されており、いくつかの国際コンクールで優れた成績を収めています。1998年には、サン＝ジャン＝ド＝リュズで開催されたモーリス・ラベル国際音楽アカデミー・コンクールで第1位を獲得。翌1999年には、クライストチャーチで開催された第3回アダム国際チェロフェスティバルおよびコンクールで第2位、そしてトゥールーズで開催された第1回アンドレ・ナヴァラ国際チェロコンクールでは再び第1位に輝き、国際的なキャリアへの確固たる足がかりを築きました。

チェロ演奏で世界を股にかける一方、彼はピアノも演奏するなど、幅広い音楽的才能を持っています。兄ルノー・カピュソンとの音楽的な絆も深く、互いに刺激を与え合いながら活動しています。

ゴーティエ・カピュソンは、その卓越した演奏技術、深い音楽性、そして教育への貢献を通じて、現代チェロ界において重要な存在感を示しています。今後も世界中のコンサートホールで、多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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