トリー・ハンター

トリー・ケダー・ハンター

トリー・ケダー・ハンター（Torii Kedar Hunter）は、1975年7月18日にアメリカ・アーカンソー州パインブラフで生まれた元プロ野球選手（外野手）です。彼は右投右打で、愛称は「スパイダーマン」です。

経歴

アマチュア時代

ハンターは、電気技師の父と小学校教師の母の間に生まれました。8歳でティーボールを始め、高校時代には圧倒的な身体能力で野球だけでなく、アメリカンフットボールやバスケットボール、陸上でも活躍していました。彼はアメリカンフットボールでは強肩のクォーターバックとして、またハードヒットが特徴のフリーセイフティとしても卓越していました。1992年には野球のジュニアオリンピックでアメリカ合衆国代表に選ばれましたが、経済的な理由で参加が困難でした。その時、アーカンソー州知事であったビル・クリントンに手紙を送り支援を受け、見事に参加を果たしました。この経験について彼は「当時、彼が後に大統領になるとは思わなかった」と振り返っています。

ツインズ時代

1993年のMLBドラフトでミネソタ・ツインズから1巡目に指名を受け、1993年7月に契約しました。初年度はルーキーリーグで打率.190と苦しみましたが、1994年にはルーキーリーグで打率.293を記録。1995年にはA+級で成長し、1999年には中堅のレギュラーとしてメジャーデビューを果たしました。2001年には打率.261、27本塁打、92打点を記録し、ゴールドグラブ賞を初受賞しました。2002年も好成績を収め、オールスターゲームに選出されるなどさらなる飛躍を遂げました。チームは11年ぶりの中地区優勝に貢献し、2003年にも外野手として重要な役割を果たしました。しかし、2004年には相次ぐ怪我に悩まされつつも、シーズンを全うしました。

エンゼルス時代

2007年にはロサンゼルス・エンゼルスと契約し、正中堅手として活躍しました。ここでもオールスターゲームに選出され、数々の魅力的なプレーを見せました。特に、彼の守備力は目を引き、2010年には右翼手にコンバートされました。その後も好成績を維持し続け、特に2012年は打率.313を記録しました。しかし、私生活では息子の逮捕などの苦難も経験しました。

タイガース時代とツインズ復帰

2012年、デトロイト・タイガースに移籍し、再び安定した成績を残しました。2014年に古巣のツインズに復帰し、最後のシーズンを迎えます。この年も怪我を乗り越えて活躍を続け、2015年に現役を引退することを発表しました。

選手としての特徴

ハンターは、打撃においてスイングが大きく、打球を中堅方向に良く飛ばしました。また、守備面でも特筆すべき成績があり、2001年から2009年までの間に9度のゴールドグラブ賞を受賞しています。特に2002年のオールスターゲームでのプレーは多くの人に記憶されています。

人物と社会貢献

ハンターはファンやチームメイトから愛される存在であり、ユーモアを交えたコメントでメディアからも高く評価されています。また、社会貢献活動にも熱心で、アフリカ系アメリカ人の野球選手振興プログラム「Torii Hunter Project」を立ち上げるなどし、地域社会に貢献しました。

ハンターはその成績や影響力を通じて、多くのファンに影響を与えた偉大な選手であり、彼の足跡は今後の世代にも受け継がれることでしょう。

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