『ゴールドラッシュ』は、
1978年6月1日にCBS・ソニーからリリースされた、
矢沢永吉の4枚目のスタジオアルバムです。このアルバムは、同年夏の
資生堂キャンペーンソングに起用され、100万枚を超えるセールスを記録した
シングル「時間よ止まれ」を収録していることが大きな特徴です。
アルバムは
1978年6月12日付の
オリコンチャートで1位を獲得すると、その後
7月10日まで5週連続で首位を独走しました。その鮮烈なジャケットイメージとともに、日本のロック史に燦然と輝く
ベストセラー作品として、広く認知されています。
当時の
矢沢永吉は、音楽番組への出演を極力避け、アルバムとコンサートツアーを重視するという独自の活動スタイルを貫いていました。アルバムリリースに先駆け、同年3月20日からはコンサートツアー「EIKICHI YAZAWA CONCERT TOUR 1978「GOLD RUSH '78 PART-1」をスタート。ツアー中にアルバムを発売するという異例の形を取りました。ツアーファイナルとして同年
8月28日には
後楽園球場での単独公演を敢行。会場周辺を
機動隊が取り囲むという、前代未聞の状況下でのライブを大成功させ、矢沢の圧倒的な存在感を世に知らしめました。
さらに、同年7月25日には自伝『成りあがり』を出版。こちらも
ベストセラーとなり、100万部を超える大ヒットを記録しました。また、1977年度の長者番付歌手部門では、ロックミュージシャンとして初の1位に輝き、当時の音楽界における
矢沢永吉の突出した人気を証明しました。
音楽評論家の川崎大助は、2015年の著書『日本のロック名盤ベスト100』の中で、本作を第5位に選出。その理由として、「
フランク・シナトラを彷彿とさせるクルーナー唱法と、日本の演歌的な粘着質さを併せ持つ、独特の歌世界が唯一無二である」と評価しています。
アルバムの制作には、相沢行夫、木原敏雄、
後藤次利、
坂本龍一、
村上秀一、つのだひろ、藤井章司、
高橋幸宏、斎藤ノブ、
駒沢裕城、Jake H. Concepcionなど、錚々たるミュージシャンたちが参加しました。
収録曲
1. ゴールドラッシュ
2. キャロル
3. ラスト・シーン
4. 真夜中のロックン・ロール
5. バイ・バイ・マイ・ラブ
6. 時間よ止まれ
7. 夏のフォトグラフ
8. 雨のハイウェイ
9. 古いラブレター
10. 逃亡者
11. 恋の列車
クレジット
相沢行夫 - エレクトリック・ギター
木原敏雄 - エレクトリック・ギター
後藤次利 - エレクトリック・ベース
坂本龍一 - キーボード
村上秀一 - ドラム
つのだひろ - ドラム
藤井章司 - ドラム
高橋幸宏 - ドラム(「時間よ止まれ」)
斎藤ノブ - パーカッション
駒沢裕城 - スティール・ギター
Jake H. Concepcion - ブラス
外部リンク
Goldrush - Discogs (発売一覧)