ゴールドリヴァー

ゴールドリヴァー：凱旋門賞を制した名牝とその血統

ゴールドリヴァー (Gold River, 1977-1986) は、フランスで活躍した競走馬にして、優れた繁殖牝馬として名を馳せたサラブレッドです。1981年の凱旋門賞優勝という輝かしい実績を持ち、同年のフランス最優秀古牝馬にも選出されました。

華麗なる競走馬時代

ジャック・ヴェルテメール氏によって生産されたゴールドリヴァーは、3歳5月にデビュー。デビューから活躍を見せ、年末にはG1競走であるロワイヤルオーク賞を制覇しました。勢いに乗って、年を跨いでジャンプラ賞（現在のヴィコンテッス・ヴィジェ賞）とカドラン賞と、3000メートルを超える長距離重賞競走を3連勝するという偉業を達成。長距離に強い持ち前の能力を遺憾なく発揮しました。その後、サンクルー大賞とフォワ賞では惜しくも上位入賞を逃しましたが、これらの経験が凱旋門賞制覇へと繋がったことは間違いありません。そして迎えた凱旋門賞では、23頭もの強豪を相手に堂々の優勝を果たし、その名を世界に轟かせました。翌年のロワイヤルオーク賞では3着に敗れ、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

繁殖牝馬としての成功と優れた血統

引退後は、アメリカ合衆国ケンタッキー州レキシントンのハグヤードファームで繁殖牝馬となりました。初年度から重賞勝ち馬を輩出するなど、その繁殖能力の高さを示し、大きな期待を集めました。しかしながら、1986年、9歳という若さでこの世を去りました。

ゴールドリヴァーは数々の優れた産駒を残しました。その中でも特に有名なのは、G3競走のリス賞を制したシェルシュールドール（Chercheur d'Or）と、G1競走のサンタラリ賞を制したリヴィエルドール（Rivière d'Or）です。シェルシュールドールは日本に輸入され種牡馬となり、リヴィエルドールはさらに活躍馬を産みました。さらに、孫の世代には、ブリーダーズカップ・マイルを3連覇したゴルディコヴァ（Goldikova）も輩出しました。ゴールドリヴァーの血統は、現代競馬においてもその影響力を発揮し続けています。興味深いことに、彼女の産駒の名前には「金」や「川」を意味する言葉が用いられているのも特徴です。例えば、シェルシュールドールは「金の探索者」、リヴィエルドールは「金の川」、リヴィエルダルジャンは「銀の川」といった具合です。

優れた血統背景

ゴールドリヴァーの母であるGlaneuseは、イタリアのジョッキークラブ大賞などでも勝利を収めた名牝です。さらに、5代母にあたるInfra Redは1939年のプリンセスエリザベスステークスの優勝馬という輝かしい実績を持っています。このように、ゴールドリヴァーの優れた能力は、その血統背景からも裏付けられています。

ゴールドリヴァーは、競走馬としての輝かしい実績と、優れた繁殖牝馬としての功績により、競馬史にその名を刻んだ、まさに伝説的名牝と言えるでしょう。その血統は、現代競馬にまで大きな影響を与え続けており、これからも多くの競馬ファンに語り継がれていくことでしょう。

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