ゴー・ゲッテム・タイガース

ゴー・ゲッテム・タイガース (Go Get'em Tigers)

「ゴー・ゲッテム・タイガース」は、MLBアメリカンリーグ所属のデトロイト・タイガースの応援歌です。1968年にアーティー・フィールズによって作詞・作曲されました。

誕生の背景

1967年、タイガースは優勝争いで惜しくも2位に終わりました。地元デトロイト国法銀行（NBD）がラジオ中継のスポンサーを務めており、オフシーズンにフィールズへ応援歌の制作を依頼。1968年シーズンを通して、ドン・ロンドとクリス・ピーターソンのデュエットでCMソングとして「Go Get'em Tigers」が放送されました。

曲名に使われた「Go get'em tiger」は、「勇猛な虎のように頑張って来い」という意味の英語の慣用句です。歌詞には、ワールドシリーズへの進出と、タイガースがペナントを掲げてデトロイトに凱旋することを願う思いが込められています。1分弱という短いCMソングでしたが、地元ファンに熱狂的に受け入れられ、本拠地タイガー・スタジアムでは大合唱が定番となりました。また、この年の球団のキャッチコピーにも採用され、NBDは虎がボールをくわえたデザインのノベルティを作成しました。

1968年の快進撃

「Go Get'em Tigers」の声援を受けたタイガースは、1968年に103勝59敗という圧倒的な成績でアメリカンリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズに進出しました。セントルイス・カージナルスとの対戦は最終戦までもつれ込みましたが、4対1でタイガースが勝利し、23年ぶりのワールドチャンピオンに輝きました。「Go Get'em Tigers」は、この年の快進撃を象徴する応援歌として、ファンに深く刻まれました。

その後

1968年には、ワールドチャンピオン記念盤としてフリートウッド・レコードから発売されたLP「the year of the Tiger '68」に収録されました。

CMソングを企画したNBDは、合併を経てJPモルガン・チェースに吸収されました。2000年にタイガースの本拠地がコメリカ・パークに移転すると、ネーミングライツ契約主であるコメリカ銀行が、競合関係にあったNBDが関わった「Go Get'em Tigers」を敬遠し、球場での演奏は一時途絶えました。しかし、その後、新たな応援歌がファンの支持を得られなかったため、2012年のリーグ優勝を機に、再び球場内で演奏されるようになり、現在に至っています。

2014年には、カントリー・バンドのオービットサンズ（The Orbitsuns）がカバーバージョンをリリースしています。

参考文献

Mark Pattison, David Raglin "Detroit Tigers Lists and More: Runs, Hits, and Eras" Great Lakes Books, 2002 ISBN 978-0-8143-3040-1
Jim Hawkins, et al. "The Detroit Tigers Encyclopedia" Sports publishing, 2003 ISBN 978-1-58261-222-5
Jack Ebling "Tales from the Detroit Tigers Dugout" (updated) Sports publishing, 2018 ISBN 978-1-61321-880-8

外部リンク

"Go Get 'Em Tigers" performed by the DSO and Detroit Children's Choir - YouTube
* デトロイト交響楽団と地元の小学生による合唱。

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