サイアー・レコード

サイアー・レコードの歴史

サイアー・レコードは、1966年にシーモア・スタインとリチャード・ゴッテラーによって設立されたアメリカのレコードレーベルです。ワーナー・ミュージック・グループ傘下にあり、ワーナー・レコードが配給を担っています。

黎明期

1968年に最初のリリースを行い、当初はロンドンレコードが配給を担当しました。設立当初から、サイアー・レコードはイギリスのアンダーグラウンドなプログレッシブ・ロックバンドをアメリカ市場に紹介することに注力しました。クライマックス・ブルース・バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト、トゥモロウ、ザ・デヴィアンツなどが初期の所属アーティストとして知られています。

1970年から1971年にかけては、ポリドール・レコードが販売を担当し、この時期に現在のロゴが制作されました。1972年から1974年にはフェイマス・ミュージックが販売を引き継ぎ、1972年にはフォーカスの「Hocus Pocus」がチャート入りを果たしました。1970年代には、3巻からなる『History Of British Rock』などのコンピレーションLPを多数リリースし、タートルズ、デュアン・エディ、スモール・フェイセス、デル・シャノンといったアーティストを世に送り出しました。1974年にABCレコードがフェイマス・ミュージックと契約し、サイアー・レコードの配給も引き継ぎました。1977年にはクライマックス・ブルース・バンドが「Couldn't Get It Right」でトップ40入りを記録しています。

ワーナー傘下へ

1970年代後半には、ラモーンズ、デッド・ボーイズ、トーキング・ヘッズなど、パンク・ロックやニュー・ウェイヴのアーティストと契約を結び、独立系レコードレーベルとして大きな成功を収めました。1977年に配給先をワーナー・ブラザース・レコードに変更し、1978年にはワーナー・ブラザース・レコードの傘下に入りました。

1980年代には、マドンナ、アイス-T、デペッシュ・モード、エコー&ザ・バニーメン、プリテンダーズ、ザ・キュアーなど、数々の人気アーティストを擁し、主流レーベルとしての地位を確立しました。1990年代も、シール、k.d.ラング、トミー・ペイジ、ミニストリーなど、多彩なアーティストが活躍しました。

レーベル再編

1994年には、配給先がワーナー・ブラザース・レコードから姉妹レーベルのエレクトラ・レコードに変更されました。創設者のシーモア・スタインは、エレクトラのCEOであるシルヴィア・ローンから会長への就任を打診されましたが、サイアーは2000年にエレクトラを離れ、アメリカ支社のロンドンレコードと合併し、London-Sire Recordsを設立しました。しかし、この協力関係は2003年4月に解消され、レーベル名は再びサイアー・レコードに戻り、配給もワーナー・ブラザース・レコードに戻りました。

近年の動向

2009年には、サイアー・レコードのウェブサイトに掲載されていた公式ミュージックビデオが、ワーナー・ミュージック・グループの著作権に関する申し立てによって削除されるという出来事がありました。これは、ワーナー・ミュージック・グループとYouTubeの間のロイヤリティ交渉が決裂したことが原因でした。2009年9月に合意が成立し、ビデオは復活しましたが、自身のサイトに埋め込むことはできなくなり、ユーザーはYouTubeのサイトからワーナー・ミュージック・グループのビデオを視聴する必要がありました。

現在の主な所属アーティスト

現在の主な所属アーティストには、HIM、ジャックス・マネキン、メイレイ、レジーナ・スペクター、ザ・メイン、ザ・ヴェロニカズなどがいます。

サイアー・レコードは、その長い歴史の中で、常に時代を先取りした音楽を発信し、数々のスターを輩出してきた重要なレコードレーベルです。

参考情報

公式ウェブサイト
Sire album discography from BSN Pubs
* Discogs profile

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