サイオン・xB

サイオンxB（Scion xB）

サイオンxBは、トヨタ自動車がかつて北米市場で展開していたサイオンブランドのトールワゴン型乗用車です。2世代にわたり販売され、個性的なデザインと実用性で一定の人気を集めました。

初代 XP30型（2003年 - 2006年）

初代xBは、日本市場で販売されていたトヨタ・bBをベースにしたモデルです。bBに北米向けの修正を施したバッジエンジニアリング車であり、この世代のみxBとbBは関連性があります。ただし、細部には相違点も見られます。例えば、bBのフロントシートがベンチシートであるのに対し、xBはセパレートタイプを採用。また、ミッションはコラムシフトからフロアシフトへ、パーキングブレーキも足踏み式からサイドブレーキへと変更されています。さらに、bBにはスペアタイヤが装備されていませんが、xBにはコンパクトなスペアタイヤがリアハッチの左下に格納されています。

エンジンはbBと同様に、1.3L直4DOHCの2NZ-FEエンジン、または1.5L直4DOHCの1NZ-FEエンジンが搭載されました。日本仕様のbBはコラムシフトATのみの設定でしたが、北米ではフロアシフトの人気が高かったため、ATだけでなくMTも用意されました。当初、バンパーデザインやリアナンバープレートの位置（バンパーではなくリアゲート中央）がbBと異なっていましたが、bBのマイナーチェンジによって共通化されました。

2代目 E150型（2007年 - 2016年）

2代目xBは、2007年のシカゴ自動車ショーで発表されました。製造は関東自動車工業岩手工場（現：トヨタ自動車東日本岩手工場）が担当しました。そのスタイルは、2006年のニューヨーク自動車ショーに出品されたt2Bコンセプトの5ドア版といえるものでした。初代xBよりも丸みを帯びたデザインとなり、全幅は71mm、全長は300mm、ホイールベースは100mm拡大されました。

2代目xBには、tCやトヨタ・カムリに搭載されていた2.4L直4DOHCの2AZ-FEエンジンが搭載され、初代モデルに比べて大幅にパワーアップしました。燃費は、市街地で22mpg、ハイウェイで28mpgと、初代モデルの1.5Lエンジン搭載車よりも若干燃費が悪化しています。これは、2代目xBが初代モデルよりも270kg以上重くなったことが影響していると考えられます。

初代xBが日本名bBであったのに対し、2代目xBは北米市場専用に設計され、日本名はトヨタ・カローラルミオン（エンジンは1.5Lと1.8Lに変更）、豪州名はトヨタ・ルークス（Rukus:xBと同じ2.4Lを搭載）となりました。

2008年モデルからは、3種類のヘッドユニットが用意され、すべて6スピーカーを搭載し、iPodの接続にも対応しました。ベーシックタイプのオーディオユニットは、CD、MP3、WMA、AACの音楽データが再生可能で、サイオンSSPイコライザーを装備していました。また、車両の速度や周囲の騒音が増加するにつれて自動的にボリュームを上げる「オートマチック・サウンド・レベライザー」機能も搭載されていました。

2012年モデルでは、エクステリアデザインが大きく変更され、より個性を強調したスタイルとなりました。

2016年、サイオンブランドの廃止に伴い、xBも販売終了となりました。

長城汽車によるコピー

2009年、中国の自動車メーカーである長城汽車は、初代xBのコピー版であるクールベアーを発売しました。

関連項目

トヨタ自動車
トヨタ・bB
* グレートウォール・クールベアー

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