サイバーマンの再興

ドクター・フー 第12シリーズ第9話 「サイバーマンの再興」：詳細解説

2020年2月23日、BBC Oneで放送された『ドクター・フー』第12シリーズ第9話「サイバーマンの再興」(原題:Ascension of the Cybermen)は、クリス・チブナル脚本、ジェイミー・マグナス・ストーン監督による、壮大なスケールを誇るエピソードです。このエピソードは、続く第10話「時を超えた子供たち」と合わせて二部作を構成しており、未来のサイバー戦争、ドクターの過去、そして衝撃的な結末が待ち受けています。

物語の概要

前話でサイベリアムを孤高のサイバーマンに譲渡してしまった13代目ドクター（ジョディ・ウィテカー）は、遠い未来において絶滅寸前に追い込まれた人類を救うため、サイバーマンとの戦いに身を投じます。激しい戦闘の中で、ドクター、ライアン、ヤズ、グレアムは離れ離れになってしまいます。

ドクターとライアンはサイバーマンのシャトルを奪って脱出を試み、一方、ヤズとグレアムは生き残った人類と共に脱出を図り、孤高のサイバーマンに追われます。彼らは、ワープ可能な境界「コ・シャルムス」を目指して逃亡を続けます。

一方、20世紀初頭のアイルランドでは、若い夫婦が捨て子を拾って育てます。成長したブレンダンは警察官となり、ある任務中に崖から転落するも奇跡的に無傷で生還します。しかし、老いた彼は養父と恩師によって記憶を消され、拘束されてしまうのです。

ヤズとグレアムは、放棄されたサイバーマンの巨大な宇宙船に乗り込み、境界を目指します。しかし、そこに孤高のサイバーマンが現れ、新型サイバーマンを次々と起動させ始めます。

別ルートで境界に到達したドクターたちは、コ・シャルムスが惑星の名前ではなく、境界の番人（イアン・マッケルヒニー）の名前であることを知ります。そして、境界から飛び出した人物を見て衝撃を受けます。それは、ドクターの宿敵、マスターでした。その向こうには、ドクターとマスターの故郷、滅び去ったガリフレイが広がっていたのです。

制作について

脚本はクリス・チブナル、監督はジェイミー・マグナス・ストーンが担当しました。ストーンは、このエピソードと「時を超えた子供たち」を含む第5製作ブロックの監督を務めました。ジュリー・グラハムは人類の生き残り、ラヴィオ役で出演。その他、イアン・マッケルヒニーとスティーヴ・トゥーサンもゲスト出演しており、彼らも「時を超えた子供たち」に出演しています。

放送と反響

イギリスでは2020年2月23日に放送され、日本では2020年8月19日からHuluで配信されました。イギリスでの視聴者数は371万人で、当日のテレビ番組中8位という結果でした。Audience Appreciation Index は81を記録。合計視聴者数は499万人で、新シリーズでは4番目に低い視聴率となりました。しかし、批評家からは肯定的な評価を得ています。

まとめ

「サイバーマンの再興」は、未来と過去、そしてドクター自身の過去が複雑に絡み合い、視聴者を驚愕の連続に巻き込む、見応えのあるエピソードです。サイバーマンとの壮絶な戦い、ドクターとマスターの因縁、そして滅びた故郷ガリフレイの出現など、多くの要素が盛り込まれており、シリーズ全体における重要な転換点と言えるでしょう。視聴率こそ低かったものの、その高い評価は、このエピソードが持つドラマ性と衝撃的な展開を物語っています。

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