ジョディ・ウィテカー

ジョディ・ウィテカー：多才な女優の軌跡

ジョディ・オークランド・ウィテカーは、1982年6月17日、イングランドで生まれました。ウェスト・ヨークシャーで育ち、シェリー・カレッジを経て、名門のギルドホール音楽演劇学校を演技部門金メダルで卒業するなど、若い頃から演技への情熱を燃やしていました。

華々しいキャリアの始まり

2005年、シェイクスピアズ・グローブでの舞台「The Storm」でプロとしてキャリアをスタートさせました。その後は、映画、テレビ、ラジオ、舞台と、幅広い分野で活躍の場を広げていきます。

映画デビュー作は2006年の「ヴィーナス」。この作品で早くも英国インディペンデント映画賞とサテライト賞にノミネートされ、高い評価を得ました。その後も、カルトSF映画「アタック・ザ・ブロック」、アンソロジーシリーズ「ブラックミラー」のエピソードへの出演など、話題作への出演を重ね、着実にキャリアを積み重ねていきました。

特に注目すべきは、2013年から2017年まで出演したITVのドラマシリーズ「ブロードチャーチ〜殺意の町〜」です。この作品で、彼女は重要な役を演じ、高い評価を受けました。

歴史的快挙：ドクター・フーの13代目ドクター

2017年7月、ウィテカーにとってキャリアの転機となる発表がありました。彼女が、イギリスの国民的ドラマシリーズ「ドクター・フー」の13代目ドクターに抜擢されたのです。これは、シリーズ史上初の女性ドクターという歴史的な出来事であり、世界中から大きな注目を集めました。

この抜擢は、彼女の実力と人気を証明するものでした。同時に、白人男性が演じてきた伝統的な役柄に女性が挑戦するという意味で、大きな社会的意義も持ちました。彼女のキャスティングに対しては賛否両論ありましたが、多くのファンから絶賛の声が寄せられました。

2017年のクリスマススペシャル「The Doctors」で初登場を果たしたウィテカーは、持ち前の演技力で、新しい時代のドクター像を鮮やかに描き出しました。シリーズ制作総指揮には「ブロードチャーチ」でもタッグを組んだクリス・チブナルが就任し、新たな「ドクター・フー」の時代が幕を開けました。

ラジオ・タイムズの人気投票では、ウィテカー演じる13代目ドクターは、デイヴィッド・テナント演じる10代目ドクターに次ぐ第2位という人気を博しました。しかし、2021年には、ウィテカーとチブナルの降板が発表され、2022年にスペシャルエピソード3本をもって、彼らの「ドクター・フー」時代は幕を閉じました。

プライベートな一面

私生活では、2008年にアメリカ人俳優のクリスチャン・コントレラスと結婚し、2015年には第一子を出産しています。また、ダウン症を患っていた甥っ子、ハリー・ウィテカーの死も経験しています。ハリーは、ソープオペラ「エマーデイル」で子役として活躍していました。

多彩な才能と社会貢献

女優としての活動に加え、2018年にはフェミニズムに関するアンソロジー「Feminists Don't Wear Pink (and other lies)」に寄稿するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

ジョディ・ウィテカーは、演技力、社会への意識、そして人としての魅力を兼ね備えた、まさに現代を代表する女優の一人と言えるでしょう。彼女の今後の活躍にも期待が高まります。

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