サウスカロライナ (戦艦)

アメリカ海軍戦艦「サウスカロライナ」（USS South Carolina, BB-26）

サウスカロライナは、アメリカ海軍が建造したサウスカロライナ級戦艦の1番艦であり、アメリカ合衆国8番目の州、サウスカロライナ州にちなんで命名されました。この名を持つ艦としては4隻目にあたります。

艦歴

1906年12月18日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのウィリアム・クランプ・アンド・サンズ社で起工され、1908年7月1日にフレデリカ・アンセル（サウスカロライナ州知事の娘）によって命名、進水しました。1910年3月1日、初代艦長オーガスタス・F・フェクテラー大佐の指揮下で就役しました。

就役後、サウスカロライナは様々な任務に従事しました。1910年3月6日にフィラデルフィアを出航し、デンマーク領西インド諸島やキューバを訪問した後、サウスカロライナ州チャールストンに立ち寄りました。その後、バージニア岬沖やマサチューセッツ州プロビンスタウンでの公試を経て、ニューヨークでルーズベルト前大統領の歓迎式典に参加しました。その後、ノーフォークでの修理や訓練を経て、ヨーロッパへの巡航も行いました。この巡航では、フランスのシェルブールやイギリスのポートランドなどを訪問しました。

1911年には、ヨーロッパへの二度目の巡航で、デンマークのコペンハーゲン、スウェーデンのストックホルム、ロシアのクロンシュタットを訪問し、帰路にはドイツのキールでヴィルヘルム2世主催の記念行事に参加しました。その後はチェサピーク湾で戦闘訓練を行いました。

1912年以降は、アメリカ東海岸での艦隊訓練やグアンタナモ湾での冬季演習に参加しました。また、ドイツ艦隊の歓迎式典にも参加しています。その後も、メキシコ湾やカリブ海への巡航でアメリカの権益を保護する任務に就きました。1913年には、パナマ運河を通過し、その重要性を確認する役割も担いました。

第一次世界大戦勃発後の1914年、サウスカロライナはハイチへの海兵隊派遣やベラクルスへの地上部隊派遣に関わり、政治的な混乱の収拾に貢献しました。アメリカが第一次世界大戦に参戦した1917年以降は、船団護衛任務に従事し、フランスへの兵員輸送を支援しました。

戦後、サウスカロライナは帰還兵の輸送任務を行い、1920年には太平洋巡航を実施。ハワイや西海岸の各都市を訪問した後、再びパナマ運河を通過して東海岸に戻りました。1921年には、士官学校生の訓練巡航を行い、ヨーロッパやカリブ海を訪れました。

サウスカロライナは1921年12月15日にフィラデルフィアで退役し、1923年11月10日に除籍されました。ワシントン海軍軍縮条約に基づき、1924年4月24日にスクラップとして売却されました。

サウスカロライナの銀製食器一式は、現在サウスカロライナ州知事公邸で公開されています。

主な活動と出来事

1910年: 就役、ヨーロッパ巡航
1913年: パナマ運河を通過
1914年: ハイチ、ベラクルスでの作戦
1917-1918年: 第一次世界大戦での船団護衛任務
1919年: 帰還兵輸送
1920年: 太平洋巡航
1921年: 退役


サウスカロライナは、その艦歴を通じて、アメリカ海軍の発展と国際的な活動に重要な役割を果たしました。その活動は、当時のアメリカの外交政策や海軍戦略を理解する上で貴重な資料となっています。

外部リンク

Navy photographs of South Carolina (BB-26) - ウェイバックマシン
* Maritimequest USS South Carolina BB-26 Photo Gallery

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