サウス・オークニー諸島

サウス・オークニー諸島について

サウス・オークニー諸島（South Orkney Islands）は、南極海に位置する一群の島々で、その中でもコロネーション島、ローリー島、パウエル島、シグニー島などが主要な島として知られています。これらの島の中で最も高い地点は、コロネーション島にあるニヴェア山（Mount Nivea）で、標高は1266メートルです。

この諸島が初めてお目見えしたのは1821年のことです。この年、アメリカの探検家ナサニエル・ブラウン・パルマーとイギリス人のジョージ・パウエルが発見しました。パウエルは、この年がイギリスのジョージ4世の戴冠式の年であることから、コロネーション島と名付けました。また、この時点での発見を記念して、彼らは島々をパウエル諸島（Powell's group）として呼びました。

その後、1823年に訪れたジェームズ・ウェッデルがこの地域に固有の名前「サウス・オークニー諸島」を付けて以降、現在に至るまでこの名前が使われています。発見当初から、この諸島を訪れるのは主にアザラシ狩猟船や捕鯨船であり、商業活動が行われていました However、これらの活動にもかかわらず、サウス・オークニー諸島の完全な調査は1903年まで行われませんでした。

その頃、スコットランドの探検隊の一員であるウィリアム・スピアーズ・ブルースがこの諸島を探検しました。彼はこの地に気象観測基地を設立し、島を去る際にはアルゼンチンの気象科学者にその基地を引き継ぎました。この基地は、1951年に「オルカダス（Orcadas）」と改名され、現在でも使用されています。

1908年にはこの地域がフォークランド諸島の一部となり、1947年にはシグニー島にイギリス南極観測局が設立され、海洋観測所が開設されました。サウス・オークニー諸島の気候は厳しく、年平均気温は0℃で、冬には-10℃に達することもあります。また、最高気温が12℃に達し、最低気温は-44℃という記録もあります。特に1982年1月30日には、シグニー島において、南緯60度線以南での陸地及び棚氷上の最高気温19.8℃が記録されました。

現在、サウス・オークニー諸島の領有権はイギリスとアルゼンチンの間で主張されていますが、南緯60度以南に位置するため、南極条約によりその主張は凍結されています。この規約により、科学研究や環境保護のために、この地域の開発は制限されており、国際的な協力が求められています。サウス・オークニー諸島はその自然環境において、科学研究の場としても非常に重要な位置を占めています。

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