サクレウ

サクレウ（Zaculeu）：高地マヤの遺跡

サクレウは、グアテマラのウェウェテナンゴ県に位置する高地マヤの遺跡で、特にマム族において重要な都市でした。地名の「サクレウ」は、マム語で「白い土地」を意味します。この遺跡は、県都ウェウェテナンゴから北西に約4キロメートルの場所にあり、標高1900メートルのセレグア川岸に位置しています。サクレウは、クチュマタネス山脈の山麓に広がっており、自然の要塞としての利点を持っています。特筆すべきは、この遺跡が古典期から存在していた点です。

遺跡の特徴

サイズは比較的小さくとも、サクレウには神殿ピラミッドや宮殿、球戯場など、40を超える建造物が残っています。これらの建物や出土品には中央メキシコや中部アメリカ低地の文化の影響が見られ、マヤ文明の独自のスタイルを感じさせます。中でも最大の建物である建造物1は、2つの立派な階段を有し、全8層からなる神殿ピラミッドです。

上部の神殿は1976年に発生したグアテマラ地震によって損傷し、現在は壁だけが残されています。しかし、その下には古典期の墓が発見され、7人以上の子供を含む遺体や、土器、黄鉄鉱の鏡、ヒスイ製品といった貴重な出土品が多く見つかりました。また、金や銅などを用いた約30点の金属製品も発見されています。

サクレウの歴史

サクレウは、古典期前期にはすでに人々が定住していた地域です。15世紀中ごろには、ウタトランのキチェ族によって一時的に征服されました。しかし、1525年に入ると、長期の包囲戦の末にゴンサロ・デ・アルバラードによって征服され、以降は重要な歴史的地点となりました。

調査と復元

この遺跡が注目を集め始めたのは1840年のことです。この年、探検家のジョン・ロイド・スティーヴンズとフレデリック・キャザーウッドが訪れ、サクレウの存在を広めました。その後、1940年代にはユナイテッド・フルーツ社によって大規模な発掘と復元が行われ、1953年には詳細な報告書も出版されました。

サクレウはウェウェテナンゴの街に近く、パンアメリカンハイウェイとも接しているため、観光地としての魅力が高まり、訪れる人々を惹きつける存在となっています。復元された遺跡は、訪れる人々にマヤ文明の栄光を伝え続けています。

まとめ

サクレウは、その歴史的背景や多様な建築物の魅力から、多くの観光客に親しまれています。グアテマラの歴史や文化を体験するためには、ぜひ訪れたい場所の一つです。古代マヤの息吹を感じながら、壮大な建造物の数々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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