サケーオ県

サケーオ県（タイ語: จังหวัดสระแก้ว）は、タイ王国の中心部よりやや東寄りに位置する県（チャンワット）です。地理的には、隣接するチャンタブリー県、チャチューンサオ県、プラーチーンブリー県、ナコーンラーチャシーマー県、ブリーラム県と境界を接しており、西側では隣国カンボジアとの国際国境を形成しています。この地は、タイ国内の交通や物流においても重要な位置を占めることがあります。

サケーオ県は、タイの県としては比較的新しい部類に入ります。その成り立ちは1993年にさかのぼり、当時はプラーチーンブリー県の一部であった地域が分離・独立して設立されました。具体的には、ワンナムイェン郡を中心とする地域と、県名にもなっているサケーオ郡を中心とする地域を併せて、一つの県として新たに組織されたものです。この分離・昇格は、地域の開発促進などを目的として行われました。

県の地形は、北部と南部で異なる特徴を示します。県北部には、豊かな森林に覆われた山岳地帯が広がっており、手つかずの自然が多く残されています。一方、県南部は、北部のような密林ではなく、比較的開けた丘陵地帯が主となっており、標高もそれほど高くありません。このような地形の多様性が、県内の生態系や土地利用に影響を与えています。

サケーオ県の気候は、一般的にサバナ気候（ケッペンの気候区分による）に分類されます。年間を通して温暖ですが、季節によって気温や降水量が大きく変動します。
乾季: 11月から4月まで続きます。この期間は降水量が少なく、乾燥しています。
特に12月から1月は、朝晩を中心に気温が20℃前後まで下がることもあり、「涼しい季節」と称されることもあります。
2月から4月は暑季にあたり、日中の気温は35℃前後まで上昇し、非常に暑くなります。
雨季: 4月から10月にかけて訪れます。この期間は湿度が高く、多くの雨が降ります。
特に雨季の終盤である8月と9月は、年間で最も降水量が多くなる時期です。

行政区分としては、サケーオ県は以下のように細分化されています。
郡（アムプー）: 9
町（タムボン）: 59
村（ムーバーン）: 619

これらの行政単位に基づいて、県内の住民サービスや管理が実施されています。サケーオ県は、その地理的な位置、比較的新しい歴史、そして多様な自然環境を持つ地域です。

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