サダオ郡

サダオ郡の概要

サダオ郡（タイ語: สะเดา、英語: Sadao）は、タイ王国南部のソンクラー県に位置する郡の一つです。マレーシアとの国境に面しており、歴史的にも重要な地域です。

歴史

サダオ郡の地は、かつてクダ王国の一部であるチャンルン（Changlun）という地域でした。チャンルンとは、タイ語で「象が倒れる」という意味を持ち、マレー語ではスンダワ（Sendawa）と呼ばれていました。この地域は、クダ王国のマレー系スルタンの支配下にありました。

1909年、シャム（現在のタイ）とイギリスの間で英シャム条約が締結された際、チャンルン地域は分割され、主要な国境都市はマレーシアのクダ州クバン・パス郡に、タムボン・サダオを含むその他の地域はタイ王国に残されました。タムボン・サダオは、もともとプリック分郡に属していましたが、1917年にサダオ郡として独立しました。

地名の由来

サダオという地名は、タイ語でインドセンダンを意味する「สะเดา」に由来します。この木は、タイの各地で見られる一般的な樹木です。

地理

サダオ郡は、ソンクラー県の南西部に位置し、西から時計回りにサトゥーン県のクワンドーン郡、クワンカーロン郡、ソンクラー県のクローンホーイコーン郡、ハートヤイ郡、チャナ郡、ナータウィー郡に接しています。また、南西はマレーシアのケダ州とプルリス州との国境を形成しています。この地理的な位置が、サダオ郡を重要な交通の要所としています。

交通

サダオ郡は、タイ最長の国道であるペートカセーム通り（国道4号線）の終点に位置しています。この道路は、バンコクを起点としてタイ南部の主要都市を経由し、タイ・マレーシア国境のダーンノック（タイ側）とブキット・カユ・ヒタム（マレーシア側）を結んでいます。

また、マレーシアとの国境検問所は2箇所あり、一つはダーンノックとブキット・カユ・ヒタムの通過点、もう一つはパーダンベーサー（タイ側）とプルリス州パダンブサール（マレーシア側）です。特にパーダンベーサーは、国際列車が乗り入れる重要な国境駅です。

行政区分

サダオ郡は、9つのタムボン（町）に分かれており、さらにその下に67のムーバーン（村）が存在します。郡内には2つのテーサバーンムアン（市）と4つのテーサバーンタムボン（町）が設置されています。

テーサバーンムアン・サダオ：タムボン・サダオを管轄
テーサバーンムアン・パーダンベーサー：タムボン・パーダンベーサーの一部を管轄
テーサバーンタムボン・プリック：タムボン・プリックの一部を管轄
テーサバーンタムボン・クローンゲ：タムボン・パンラーの一部を管轄
テーサバーンタムボン・サムナックカーム：タムボン・サムナックカーム全域を管轄
テーサバーンタムボン・パーダンベーサー：テーサバーンムアン・パーダンベーサーの管轄外のタムボン・パーダンベーサーの一部を管轄

その他のタムボンは、タムボン行政体によって行政が行われています。

サダオ郡は、歴史的背景、地理的特徴、交通の要衝としての役割から、タイ南部において重要な位置を占めています。

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