ハートヤイ郡

タイ南部の中心都市、ハートヤイ郡

ハートヤイ郡は、タイ南部ソンクラー県に位置する郡（アムプー）であり、同県における経済の中心地です。その発展ぶりから「小バンコク」とも呼ばれ、高層ビルが立ち並ぶ都市景観を形成しています。県庁所在地であるムアンソンクラー郡を人口、経済力ともに凌駕しており、県庁所在地と誤解されることも少なくありません。タイ国内において、県庁所在地よりも規模の大きい郡は他に例を見ないという特徴を持ちます。

名称の由来

ハートヤイという名称は、元々この地にあったコークサメットチュン村が、1924年に鉄道駅が開通した際、客家人のクン・ニパットチーンナコーン（謝枢泗）が「ハートヤイ」と名付けたことに由来します。「ハート（浜）」と「ヤイ（大きな）」を組み合わせた言葉と説明されることが多いですが、郡自体は海に面していません。有力な説としては、「ハート」は「マハート (มะหาด)」という植物の名前を南タイ語風に省略したものであり、この地域に多く自生していたラクチパンノキを指すというものです。また、日本で使われる「ハジャイ」という呼び方は、現地人の発音に由来します。

歴史

ハートヤイの歴史は、1912年頃に華僑の謝枢泗が土地を購入し、木造住宅を建設したことに始まります。1924年のハートヤイ駅の完成とともに市街地が拡大し、クン・ニパット（謝）は病院、学校、道路などのインフラ整備に尽力しました。1947年に郡として政府に認められ、陸上輸送の発達とともにタイ南部の物資集積地点として発展しました。1995年には市街地がテーサバーンナコーンに指定され、大幅な自治が認められました。

地理

郡の北東部はタイ最大の湖であるソンクラー湖に面しています。市内にはウータパオ運河が流れ、かつては重要な水運ルートでした。ハートヤイは内陸に位置しており、海には面していません。

気候

気候は、1月から3月が乾季、それ以外の期間は雨季となります。タイ北部と比較すると雨季が長く、降水量も多いのが特徴です。

経済

ハートヤイはタイ南部の経済の中心地であり、「小バンコク」と呼ばれるほどの経済力を誇ります。交通の要所としても機能しており、ハートヤイ国際空港やタイ国鉄の主要駅であるハートヤイ駅があります。ハートヤイ駅には、マレー鉄道の夜行寝台列車ランカウィ・エクスプレスの終着駅でもあり、マレー半島縦断旅行の拠点となっています。観光地としては特筆すべきものはありませんが、交通の要所として多くの旅行者が訪れます。治安面においては、爆破テロなどが発生することがあるため、注意が必要です。郊外ではゴムノキ栽培が盛んです。

行政区分

ハートヤイ郡は13のタムボン（町）に分かれ、その下に98の村（ムーバーン）があります。郡内には以下のテーサバーン（自治体）が設置されています。

テーサバーンナコーン・ハートヤイ：タムボン・ハートヤイ全体
テーサバーンムアン・バーンプル：タムボン・バーンプルの一部
テーサバーンムアン・クローンヘー：タムボン・クローンヘー全体
テーサバーンムアン・コーホン：タムボン・コーホン全体
テーサバーンムアン・クワンラン：タムボン・クワンラン全体
テーサバーンタムボン・パトン：タムボン・パトンの一部
テーサバーンタムボン・ナムノーイ：タムボン・ナムノーイ全体

その他のタムボンは、9つのタムボン行政体によって運営されています。ハートヤイ郡のタムボン一覧は以下の通りです。なお、欠番のタムボンは、バーンクラム郡、クローンホーイコーン郡として分離したタムボンです。

タムボン・ハートヤイ (ตำบลหาดใหญ่)
タムボン・クワンラン (ตำบลควนลัง)
タムボン・クータオ (ตำบลคูเต่า)
タムボン・コーホン (ตำบลคอหงส์)
タムボン・クローンヘー (ตำบลคลองแห)
タムボン・クローンウータパオ (ตำบลคลองอู่ตะเภา)
タムボン・チャルン (ตำบลฉลุง)
タムボン・トゥンヤイ (ตำบลทุ่งใหญ่)
タムボン・トゥンタムサオ (ตำบลทุ่งตำเสา)
タムボン・ターカーム (ตำบลท่าข้าม)
タムボン・ナムノーイ (ตำบลน้ำน้อย)
タムボン・バーンプル (ตำบลบ้านพรุ)
タムボン・パトン (ตำบลพะตง)

姉妹都市

* シンガポール

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