サッタヒープ郡

サッタヒープ郡

サッタヒープ郡は、タイ中部のチョンブリー県に位置する郡（アムプー）の一つで、バンコク湾の南東部に面しています。郡の名前は「七つの島」を意味し、この地には夜叉よけのために七つの島が設置されたという伝承に由来します。日本語では、サタヒープ、サタヒップ、サッタヒップなどとも表記されます。

歴史

サッタヒープの歴史は、1937年にバーンラムン郡からタムボン・サッタヒープとタムボン・ナーチョームティエンが分離し、分郡が形成されたことから始まります。1953年3月1日に郡として正式に成立しました。この地域の開発は、ターカンという人物が海賊を追い払い入植したことに端を発するとされています。その後、チュムポーンケートウドムサック親王が海軍基地を設置したことで、軍事都市としての発展を遂げました。

郡の近くにはウタパオ国際空港があり、ベトナム戦争時代には米軍の拠点として利用されました。これにより、兵士の保養地としてパッタヤーと隣接するチョームティエン・ビーチが発展しました。2002年には、世界スカウト機構によって世界ジャンボリーが開催され、3万人もの青少年が集まりました。2022年にはナイトクラブで火災が発生し、多数の死傷者が出るという痛ましい事故も起きています。

地理

サッタヒープ郡はバンコク湾の東部最南端に位置し、海に囲まれています。北部海岸はチョームティエンビーチの南に位置し、保養地として親しまれています。南部の海域には、チュワン島、クラーム島、カーム島などの島々が点在し、カーム島海中公園も存在します。西部の半島部と東部の陸地は山地となっています。

交通の要所としては、タイ有数の港であるサッタヒープ港があります。陸路では、タイ国鉄東本線の終点であるラヨーン駅があり、国道3号線（スクムウィット通り）がチョンブリーとラヨーンを結んでいます。また、国道332号線がサッタヒープ北部から中心部を囲むように走り、サッタヒープ港と接続しています。国道331号線は国道332号線と東部で交差し、チョンブリー工業団地を経由して、さらに北部の工業団地やナコーンラーチャシーマーへと繋がる304号線へと続いています。

経済

郡内の主要産業は漁業です。また、美しいビーチがあることから観光業も盛んで、多くの人々が観光に従事しています。海軍基地があるため、軍関係者や公務員も多く居住しています。

行政区分

サッタヒープ郡は5つのタムボン（行政区）に分かれており、さらにその下には41の村が存在します。郡内には3つのテーサバーン（自治体）が設置されています。

テーサバーンタムボン・サッタヒープ: タムボン・サッタヒープとタムボン・プルータールワンの一部を管轄。
テーサバーンタムボン・ナーチョームティエン: タムボン・ナーチョームティエンを管轄。
テーサバーンタムボン・バーンサレー: タムボン・バーンサレーを管轄。

また、郡内には以下の5つのタムボン行政体が設置されています。

タムボン・サッタヒープ (ตำบลสัตหีบ)
タムボン・ナーチョームティエン (ตำบลนาจอมเทียน)
タムボン・プルータールワン (ตำบลพลูตาหลวง)
タムボン・バーンサレー (ตำบลบางเสร่)
タムボン・セームサーン (ตำบลแสมสาร)

サッタヒープ郡は、その歴史、地理、経済、行政区分において、多様な側面を持つ地域です。軍事都市としての歴史を持ちながらも、美しい自然と観光資源に恵まれ、多くの人々にとって魅力的な場所となっています。

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