サハロフ賞

サハロフ賞とは

サハロフ賞は、人権と思想の自由のために献身的な活動を行った個人や団体を称えるために、1988年12月に欧州議会によって創設された賞です。この賞の名称は、ソビエト連邦の物理学者であり、反体制運動家としても知られたアンドレイ・サハロフに由来しています。欧州議会の外交委員会と開発委員会が授賞候補者を選定し、毎年10月に受賞者が発表されます。2010年の時点では、副賞として5万ユーロが贈呈されていました。

歴史と意義

サハロフ賞は、世界各地で人権と自由のために戦う人々を勇気づけることを目的としています。最初の受賞者は、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラとロシアのアナトリー・マルチェンコでした。その後も、個人だけでなく団体も受賞しており、1992年にはアルゼンチンの「5月広場の母たち」、2009年にはロシアの市民運動団体「メモリアル」が受賞しています。

授賞式は毎年12月10日に行われます。この日は、1948年に国連総会で世界[[人権宣言]]が採択された日であり、世界[[人権デー]]としても知られています。この日を選ぶことで、サハロフ賞が人権の普遍的な価値を重視していることが示されています。

主な受賞者

以下は、サハロフ賞の主な受賞者の一部です。

1988年：ネルソン・マンデラ（南アフリカ共和国）、アナトリー・マルチェンコ（ソビエト連邦）
1989年：アレクサンデル・ドゥプチェク（チェコスロバキア）
1990年：アウンサンスーチー（ミャンマー）
1991年：アデム・デマチ（ユーゴスラビア社会主義連邦共和国）
1992年：5月広場の母たち（アルゼンチン）
1993年：オスロボジェニ（ボスニア・ヘルツェゴビナ）
1994年：タスリマ・ナスリン（バングラデシュ）
1995年：レイラ・ザーナ（トルコ）
1996年：魏京生（中華人民共和国）
1997年：サリーマ・ゲザーリー（アルジェリア）
1998年：イブラヒム・ルゴヴァ（ユーゴスラビア連邦共和国）
1999年：シャナナ・グスマン（東ティモール）
2000年：バスタ・ヤ!（スペイン）
2001年：ヌリト・ペレド＝エルハナン（イスラエル）、イッザト・ガッザーウィ（パレスチナ）、ザカリアス・カムウェンホ（アンゴラ）
2002年：オズワルド・パヤ（キューバ）
2003年：国際連合
2004年：ベラルーシジャーナリスト協会
2005年：ダマス・デ・ブランコ（キューバ）、国境なき記者団、ハウワ・イブラヒム（ナイジェリア）
2006年：アレクサンダル・ミリンキエヴィチ（ベラルーシ）
2007年：サーリフ・マフムード・オスマーン（スーダン）
2008年：胡佳（中華人民共和国）
2009年：メモリアル（ロシア）
2010年：ギジェルモ・ファリニャス（キューバ）
2011年：「アラブの春」の活動家達（アスマー・マフフーズ、アフマド・アッ＝ズバイル・アッ＝サヌーシー、ラザーン・ザイトゥーナ、アリー・ファルザート、モハメド・ブアジジ）
2012年：ジャアファル・パナーヒー、ナスリーン・ソトゥーデ（イラン）
2013年：マララ・ユスフザイ（パキスタン）
2014年：デニス・ムクウェゲ（コンゴ民主共和国）
2015年：レイフ・バダウィ（サウジアラビア）
2016年：ナディア・ムラド、ラミヤ・アジ・バシャル（イラク）
2017年：ベネズエラの民主主義的野党勢力
2018年：オレグ・センツォフ（ウクライナ）
2019年：イリハム・トフティ（中華人民共和国）
2020年：マリア・コレスニコワ（ベラルーシ）
2021年：アレクセイ・ナワリヌイ（ロシア）
2022年：2022年[[ロシアのウクライナ侵攻]]に対して抵抗するウクライナ国民
2023年：Jina Mahsa Amini（イラン）
* 2024年：María Corina Machado、Edmundo González（ベネズエラ）

アウンサンスーチーの受賞資格停止

特筆すべきは、1990年に受賞したアウンサンスーチー氏のケースです。彼女は自宅軟禁からの解放後の2013年に賞を受け取りましたが、2020年9月10日、欧州議会はロヒンギャに対する犯罪行為を容認したとして、受賞者としての活動資格を停止しました。これはサハロフ賞史上初の措置でしたが、受賞者としての地位は保持されています。

まとめ

サハロフ賞は、人権と自由のために戦う人々を讃える重要な賞です。その歴史と受賞者の顔ぶれは、世界中で人権が尊重されることの重要性を物語っています。

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