サバイバル・ラリー

ドクター・フー 第11シリーズ第2話 「サバイバル・ラリー」：砂漠の惑星を舞台にした壮大な冒険

2018年10月14日、BBC Oneで放送された『ドクター・フー』第11シリーズ第2話「サバイバル・ラリー」（原題：The Ghost Monument）は、シリーズで初めて13代目ドクター（ジョディ・ウィテカー）のオープニング・タイトルシーケンスが使用されたエピソードとして注目を集めました。クリス・チブナルによる脚本、マーク・トンデライによる監督のもと、900万人を超える視聴者数を記録し、批評家からも高い評価を得ました。

物語：銀河規模のラリーと失われたターディス

タイムトラベラーである13代目ドクターは、人間の仲間であるグレアム・オブライエン（ブラッドリー・ウォルシュ）、ライアン・シンクレア（トシン・コール）、ヤズミン・カーン（マンディップ・ギル）と共に、遠く離れた砂漠の惑星へとワープします。そこで彼らを待ち受けていたのは、銀河規模のラリー、第12銀河ラリーの決勝戦でした。

ドクターとヤズミンはファイナリストのエビゾ、ライアンとグレアムはファイナリストのオングストロームという異星人にそれぞれ同行することになります。やがて、ラリーのゴール地点が「ゴースト・モニュメント」と呼ばれる場所であり、それが過去に失われたドクターのタイムマシン、ターディスであることをドクターは発見します。故郷の地球へ戻るため、そしてターディスを取り戻すべく、彼らは危険なレースに身を投じていくのです。

製作：過酷な環境での撮影と豪華なキャスト

本作の撮影は、南アフリカ共和国で行われました。『ドクター・フー』シリーズでは初めての南アフリカロケとなり、物語の明るい雰囲気に合う環境を求めたクリス・チブナルの意向によるものでした。しかし、撮影時期が1月の厳しい干ばつ時期と重なり、キャストとスタッフは過酷な状況に直面します。屋外での3週間以上の撮影期間中は深刻な水不足に見舞われ、シャワーも2分以内という制限が設けられたほどでした。トシン・コールは熱中症になるなど、過酷な環境での撮影は大きな負担となりました。

屋内シーンの撮影は、南アフリカでのロケ終了後、イギリスのカーディフにあるRoath Lock Studiosで行われました。ショーン・ドゥーリー、スーザン・リンチ、アート・マリックといった豪華なゲストキャストが出演し、物語に深みを加えています。

放送と反響：高い視聴率と肯定的な評価

「サバイバル・ラリー」は、前話でカットされていたオープニング・シーケンスが初めて登場したエピソードでもあります。イギリスでの視聴者数は711万人を記録し、その週の番組視聴率ランキングで3位を獲得。タイムシフト視聴者を加えると900万人に達し、Audience Appreciation Index は82という高評価を得ています。アメリカ合衆国でもBBCアメリカで放送され、112万人の視聴者を集めました。日本では2019年2月15日からHuluで字幕版と吹替版が配信されています。

「サバイバル・ラリー」は、13代目ドクターの新たな旅の幕開けを飾るにふさわしい、スリリングで冒険に満ちた、そして忘れられないエピソードとなりました。南アフリカの壮大な風景と、個性豊かなキャラクターたちの活躍、そして失われたターディスの謎を巡る展開は、多くの視聴者を魅了しました。過酷な撮影環境を乗り越えて制作された本作は、そのクオリティの高さを証明する、傑作と言えるでしょう。

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