サビーナ・アルティンベコワ(Sabina Altynbekova)は、中央アジア・
カザフスタン出身の女子
バレーボール選手です。
1996年11月5日にこの世に生を受けました。
来歴
サビーナ選手は、アスリートを両親に持つ家庭に育ちました。父親は
スキー選手、母親は
陸上競技の走種目選手でした。彼女自身が
バレーボールを始めたのは、
高等学校に入学してからとされています。
彼女の名前が国際的に広く知られることになった最大の契機は、
2014年7月に
台湾の
台北市で開催された
アジアバレーボール連盟主催のアジアジュニア女子
バレーボール選手権大会でした。
カザフスタン女子代表チームに補欠選手として初めて招集され、この大会で国際舞台への第一歩を踏み出しました。
大会出場を機に、彼女の並外れた美しさが急速にメディアの関心を引きつけ、社会現象ともいえるフィーバーを巻き起こしました。彼女のソーシャルメディアアカウント、特に
Instagramのフォロワー数は、大会が始まる前のわずか300人程度から、大会期間中のわずか10日も経たないうちに20万人を超えるまでに爆発的に増加しました。開催地である
台湾の大手メディアが特に熱心に取り上げたのをはじめ、その人気は
台湾にとどまらず、日本、韓国、中国、
東南アジアなど、アジア全域に熱狂的なファン層を生み出しました。さらには
欧米のタブロイド紙でも報じられ、日本の芸能界からも関心が寄せられるなど、国境を越えた大きな話題となりました。
補欠選手という立場であったため、実際の試合への出場時間は限られていました。しかし、サビーナ選手がコートに姿を見せるたびに、会場の観客の注目が一点に集中し、騒然とした雰囲気に包まれました。
カザフスタンチームは最終的に7位という成績でしたが、彼女への過剰なほどの関心は試合そのものにも影響を与え、当時のコーチが「このような状況では試合にならない。観客はまるで選手が1人しかいないかのように振る舞っている」と苦言を呈するほどの事態となりました。
こうした予期せぬ、そして異例なほどの注目と熱狂に対し、サビーナ選手自身は「注目していただくことは大変光栄でありますが、私は
バレーボールに専念したいですし、プレーによって注目されたいと思っています」とコメントし、アスリートとしての競技への真摯な姿勢を示しました。
その一方で、
2014年末には地元
カザフスタンで開催されたイベントで、スポーツに関連する等身大の役柄で映画に主演することが決定したと発表し、活動の幅を広げました。
2015年9月17日には、日本のVチャレンジリーグに所属するGSSサンビームズが公式ウェブサイト上で彼女の入団を発表し、日本の
バレーボールファンやメディアを大いに沸かせました。しかし、残念ながらリーグ戦開幕を目前にして体調を崩し、プレーすることなくチームを離脱して帰国せざるを得なくなりました。その後、
2016年4月8日、GSSサンビームズは公式サイト上でサビーナ選手との契約が満了したことによる退団を発表しました。
日本のチームを離れた後も、彼女は選手活動を続けました。所属チームとしては、日本のGSSサンビームズ加入前後のAlmatyのほか、Wild CatsやUAEのAl Waslなどでもプレー経験があります。
人物
サビーナ選手は
カザフ人です。姓については、「アルシンベコバ」という表記が一部で見られるものの、
カザフ語の実際の発音により近いのは「アルティンベコワ」とされています。
身長は182cmと
バレーボール選手として非常に恵まれた体格の持ち主です。加えて、12頭身とも形容される抜群のスタイルと洗練された美しい容姿は、特に日本国内でもメディアで度々取り上げられ、大きな話題を呼びました。
語学力にも長けており、
英語を得意としています。通訳を介さずに
英語での質疑応答を行うことができる能力を持っています。
私生活においては、2020年に結婚し、2021年には男の子を出産しており、現在は一児の母としての側面も持っています。
サビーナ・アルティンベコワ氏は、その
バレーボール選手としてのポテンシャルに加え、図らずも国際的なセンセーションを巻き起こすこととなったその美しさによって、広く世界に知られる存在となりました。アスリートとしてのキャリアを追求しながらも、メディアや世間の大きな関心とも向き合い、独自の人生の道を歩んでいます。