サブミリ波

サブミリ波の概要

サブミリ波とは、波長が0.1mmから1mmまでの範囲にある電磁波のことを指し、その周波数は3THzから300GHzにわたります。この波長の特性により、ミリ波よりも短い波長を持ち、電波法施行規則においては「デシミリメートル波」と分類されています。この周波数帯域は、マイクロ波の上限に近い範囲でもあり、その特性は光に似ている点が特徴です。

特性

サブミリ波の特性として、直進性が強く、空気中の水蒸気によって減衰しやすいという点が挙げられます。このため、空気中での伝送においては限界があり、長距離の通信には不向きです。しかし、その強い指向性と短波長は、近接範囲での高品質な通信を実現します。そのため、より効率的なデータ伝送が期待できる環境があります。

用途

サブミリ波は、その特性を活かしてさまざまな分野で利用されています。特に、近距離無線通信、電波天文学、非破壊検査、さらに医用画像の取得や診断において重要な役割を果たしています。これらの用途では、高いデータ容量や解像度が求められるため、サブミリ波の特性が有効に働きます。具体的には、導波管や光ファイバーが伝送媒体として用いられるあり、その広い周波数帯域が大容量の通信には最適です。

しかし、一方で空気中での減衰が早いため、長距離通信には欠点があることも認識されなければなりません。以前は、サブミリ波の利用には超伝導素子やジャイロトロンなどの高価な電子管が必要でしたが、近年では窒化ガリウムといった化合物半導体の進歩により、小型化された高周波半導体素子の開発が進んでいます。これにより、サブミリ波の普及が加速しつつあり、より多くの分野での応用が期待されています。

関連項目

サブミリ波に関する関連情報には、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計や超伝導サブミリ波リム放射サウンダ、テラヘルツ波、電波の周波数による分類などが含まれます。これらの情報は、サブミリ波の技術やその進化を理解する上で重要な参考となるでしょう。

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