サムシングロイヤル

サムシングロイヤル：競走馬から伝説の繁殖牝馬へ

サムシングロイヤル（1952年 - 1983年）は、アメリカ合衆国で活躍した競走馬にして、その名を後世に刻む偉大な繁殖牝馬です。競走成績は1戦のみと少ないものの、繁殖牝馬としての功績は計り知れません。セクレタリアトやサーゲイロードといった、競走界の歴史に名を刻む名馬、そして種牡馬を数多く輩出しました。その卓越した繁殖能力から、1973年にはアメリカ年度代表繁殖牝馬という栄誉にも輝いています。

寡黙な競走馬時代と華麗なる繁殖生活

競走馬としては1954年8月2日、サラトガ競馬場での1戦のみの出場でした。しかし、翌年からメドウファームで繁殖入りすると、その真価を発揮します。生涯で18頭の競走馬を産み落とし、そのうち11頭が勝利を収め、4頭がステークス競走で優勝するという輝かしい成績を残しました。

伝説的名馬を輩出：セクレタリアトとサーゲイロード

サムシングロイヤルの産駒の中でも、最も有名なのは第13子にあたるセクレタリアト（父ボールドルーラー）でしょう。セクレタリアトは2歳時から圧倒的な強さを示し、1973年にはベルモントステークスで31馬身差という驚異的な勝利を収め、アメリカ三冠を達成しました。この偉業は、サムシングロイヤルがアメリカ年度代表繁殖牝馬に選ばれた要因の一つとなりました。

一方、第3子のサーゲイロード（父ターントゥ）もまた、サムシングロイヤルの偉大さを示す存在です。2歳時から活躍し、グレートアメリカンステークスなどを制覇。クラシック路線で期待を集めましたが、残念ながら故障によりケンタッキーダービーを前に引退しました。しかし、種牡馬として大きな成功を収め、その血統はヨーロッパを中心に広がりを見せます。

世界中に広がるサムシングロイヤルの血統

サムシングロイヤルの産駒は、競走馬としてだけでなく、種牡馬としても大きな成功を収めたものが多くいます。

サーゲイロードは、イギリスダービー馬サーアイヴァーなどを輩出し、ヨーロッパの競馬界に大きな影響を与えました。その血統はさらに広がり、日本にも伝わっています。ニホンピロウイナーとヤマニンゼファーの親子のような活躍馬も輩出しています。オーストラリアやニュージーランドでも、サートリストラムの系統が現代まで活躍馬を送り出しています。

セクレタリアトもまた、アメリカ殿堂馬レディーズシークレットやアメリカ二冠馬リズンスターなど、数々の名馬を産みました。

ファーストファミリー（父First Landing）も日本に輸出され、日本の競馬界に貢献しました。2年連続年度代表馬のホウヨウボーイをはじめ、多くの活躍馬を輩出しました。母の父としては、セキテイリュウオーやロンシャンボーイといった名馬もいます。

ロイヤルタタンも日本に輸入され、地方競馬で数多くの活躍馬を送り出しました。地方競馬におけるその影響力は大きく、多くの勝利数を記録しています。

ザブライド（セクレタリアトの全姉）も優れた繁殖牝馬として活躍し、その血統は南関東牝馬三冠馬チャームアスリープなどにも繋がっています。

シリアンシーからも、シュヴィーハンデキャップ勝ち馬のアラダや、アメリカ最優秀3歳牝馬サラトガデューといった名馬が生まれています。サラトガデューの血統からは、ロードカナロアも出ています。

輝ける母系：インペラトリスからの流れ

サムシングロイヤルの母インペラトリスは、競走馬としてニューイングランドオークスなど複数のステークス競走を制し、繁殖牝馬としても優れた成績を残しました。コーチングクラブアメリカンオークス優勝馬のスキャタードなど、多くのステークス勝ち馬を産み、メドウステーブル牧場の繁栄に貢献しました。

サムシングロイヤルは、競走馬としての華々しい活躍はありませんでしたが、繁殖牝馬として類まれな才能を発揮し、数々の名馬を世に送り出しました。その血統は現在も世界中で活躍しており、競馬史に燦然と輝く存在となっています。

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