リズンスター

リズンスター：伝説の名馬セクレタリアトの血を受け継いだ二冠馬の生涯

リズンスターは、アメリカ合衆国で1986年に誕生したサラブレッド競走馬であり、後に種牡馬としても活躍しました。その父は、伝説的名馬として名高い「ビッグ・レッド」ことセクレタリアト、母は9勝を挙げた名牝リボンという、まさにサラブレッド界の王族と言える血統を受け継いでいます。

アーサー・ハンコック3世によって生産されたリズンスターは、2歳の時に競売にかけられ、ルイジアナ出身のルーニー・ラマルク氏と調教師ルイ・ラッセル氏によって共同購入されました。ラッセル氏の厩舎でトレーニングを積んだリズンスターは、1987年9月24日、ルイジアナダウンズ競馬場でデビュー。見事初勝利を飾ると、その年のうちにさらに2戦をこなし1勝を追加しました。

翌1988年、3歳シーズンを迎えたリズンスターは、初戦の一般戦で10馬身差という圧倒的な強さで勝利を収めます。続くルイジアナダービー、レキシントンステークスと主要レースを制覇し、ケンタッキーダービーへと駒を進めました。

ケンタッキーダービーでは、サンタアニタダービーを圧勝したウイニングカラーズ、無敗の7連勝で挑むプライヴェートタームズなど、強豪がひしめく中、4番人気に推されました。レースでは、バックストレッチで外を走りコースロスを喫し、最後の直線で猛追するも3着に敗れました。

しかし、2週間後のプリークネスステークスでは、前走と同じ強豪を相手に、見事に優勝を飾ります。この勝利により、ベルモントステークスの最有力候補に躍り出ました。

ベルモントステークスでは、ブライアンズタイムと並んで1番人気に支持されました。6頭立てで行われたレースで、リズンスターは父セクレタリアトを彷彿とさせる圧倒的な走りを見せ、2着馬キングポストに約14馬身の大差をつけて優勝。記録したタイム2分26秒4は、当時、父セクレタリアトの記録を除けば最速タイムでした。

しかし、この激走が祟ったのか、リズンスターは怪我のためベルモントステークスを最後に引退を余儀なくされました。それでも、二冠馬としての偉業は高く評価され、同年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬を受賞。これはセクレタリアト、ボールドルーラーと続く3世代連続受賞という快挙でもありました。

引退後は種牡馬となりましたが、父セクレタリアトほどの成功は収められませんでした。ピムリコスペシャルハンデキャップ優勝馬スタースタンダードなど、活躍馬も輩出しましたが、G1勝ち馬は輩出できず、種牡馬としての評価は決して高いとは言えません。

1998年3月13日、疝痛のため12歳でその生涯を終えました。競売にかけられ、屠場行き寸前だったところを救済団体によって救出されるなど、波瀾万丈な人生を送りました。

リズンスターの功績を称え、フェアグラウンズ[[競馬場]]には「リズンスターステークス」が創設されています。調教師ラッセル氏の篤い信仰心から、リズンスターの賞金の一部は教会への献金に充てられていたという逸話も残されています。

リズンスターは、偉大な父セクレタリアトの血を受け継ぎ、競走馬として、そして種牡馬として、多くのドラマを残した名馬でした。その生涯は、競走界の歴史に、そして多くの競馬ファンの記憶に刻み込まれています。

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