サムスンSDS

サムスンSDSは、韓国を代表する財閥系システムインテグレーターであり、サムスングループの一員です。1985年5月1日に、グループ全体の電算業務を効率化する目的で「サムスンデータシステム」として設立されました。設立当初から、グループの情報システムの中核を担う役割を担っていました。

1987年には、韓国IBMから資本参加を受け入れ、国際的な技術提携を強化しました。これにより、高度な情報技術の導入を加速させることができました。翌1988年には、情報技術教育センターの運営を開始し、人材育成にも力を注ぎました。さらに、貿易業にも参入し、事業領域を拡大しました。1991年には、情報通信役務提供業を開始し、より幅広い分野で事業を展開しました。

1992年からは、東芝からコンピュータ統合生産技術を導入し、製造業向けのソリューション提供を開始しました。さらに、1995年にはNTTデータとSI事業協力契約を締結し、ソフトウェア事業の強化を図りました。これにより、自社開発のソフトウェア技術だけでなく、外部の優れた技術も積極的に取り込み、競争力の向上を目指しました。

1994年には、韓国IBMとの合弁関係を解消し、NEC製のシステムやソフトウェアを扱うサムスン電管コンピューター事業を買収しました。これにより、自社でより包括的なソリューションを提供できる体制を整えました。1997年には、現在の社名である「サムスンSDS」に変更し、グローバル企業としてのブランドイメージを確立しました。また、米マイクロソフトやHPなどとの協力関係を強化し、世界最先端の技術を導入しました。

1997年の韓国通貨危機以降は、事業戦略を見直し、インターネット事業から撤退しました。1996年に開始したパソコン通信事業は、後にサムスンネットワークスとなるユニテル社として分社化され、ポータルサイトや検索エンジンの事業はネイバーコム社として独立しました。しかし、2010年にはサムスンネットワークスを吸収合併し、再びグループ内での連携を強化しました。

2018年には、韓国ITサービス業界で初めて売上高10兆ウォンを突破し、業界をリードする企業としての地位を確立しました。また、韓国の電子政府事業をはじめとする国の情報化プロジェクトにも設立当初から参画し、政府システム全般に関わっており、韓国の情報化に大きく貢献しています。

関連企業としては、かつてサムスンSDS系列であったネイバー（韓国最大のポータルサイト・検索エンジンプロバイダー）や、元社員のキム・ボムス氏が創業したカカオなどが挙げられます。これらの企業は、サムスンSDSから独立した後も、それぞれ独自の成長を遂げ、韓国のIT業界を牽引する存在となっています。

サムスンSDSは、設立から現在に至るまで、常に変化を恐れず、新しい技術やビジネスモデルを積極的に取り入れてきました。その結果、韓国を代表するシステムインテグレーターとして、国内外で高い評価を得ています。今後も、AIやクラウドなどの最新技術を活用し、さらなる成長を目指していくことが期待されます。

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