『サムライ』は、日本の歌手・
沢田研二による22枚目の
シングルで、
1978年1月21日に
ポリドール・レコードからリリースされました。この楽曲は、
シングル盤としてはもちろん、アルバム『
思いきり気障な人生』にも収録されています。
音楽的背景
本曲は、作詞を
阿久悠、作曲を
大野克夫が手がけており、編曲は
船山基紀が担当しています。『サムライ』に込められた意味や意図について、阿久は「やせがまん」が格好悪いとされていた当時に対し、そのイメージをかっこよく表現したかったと語っています。これにより、歌詞は単なる戦士の物語ではなく、深い精神的なメッセージを持つ作品となっています。
衣装と演出
特に、この曲に関しては衣装が大きな話題を呼びました。サムライを象徴するような、ナチス親衛隊の制服を模した衣装が問題視され、結果的に腕章は変更される事態に至りました。これは、曲のテーマと強く結びついている要素と言えるでしょう。また、フジテレビ系の「
夜のヒットスタジオ」においてもこの曲が何度もパフォーマンスされ、特に
1978年1月30日の放送では、スタジオ内に畳が敷き詰められるというユニークな演出が行われました。この演出は、一部の映像がズームイン・アウトすることで、視覚的に強い印象を与えました。
カバーと関連作品
更に、『サムライ』の後、この楽曲は他のアーティストによってもカバーされることとなります。例えば、1981年には
汀夏子がアルバム『イン・パースン』でこの曲を再演しており、また、2015年3月30日には吉井和哉が『
The Covers』でカバーしました。これにより、リリースから数十年経った今でも、その影響力と共鳴を感じることができます。
加えて、
シングルB面には「あなたに今夜はワインをふりかけ」という曲が含まれ、こちらも
阿久悠と
大野克夫の共作です。この曲は、沢田自身が出演した
キッコーマン・マンズワインのCMソングとしても知られています。このB面曲は、後に沢田のベストアルバム『ROYAL STRAIGHT FLUSH』シリーズに収録されています。
音楽の位置づけ
『サムライ』は
1978年の音楽シーンにおいても特異な存在であり、
沢田研二のキャリアの中でも目を引く作品とされています。個性的な歌詞、演出、さらに異なる時代における解釈によって、この楽曲は今なお多くの人々に愛されています。