サム・モリソン

サム・モリソン（Sam Morrison、1952年 - ）は、アメリカのジャズ・サックス奏者であり、1975年にマイルス・デイヴィスのバンドにソニー・フォーチュンの後任として参加し、その名をジャズ界に刻みました。デイヴィスはモリソンの演奏を評して「トレーンが俺のバンドに入って以来、これほど燃えるようなサックスを聴いたことがない」と語ったと伝えられています。この言葉は、モリソンの才能がいかに衝撃的であったかを物語っています。

1976年、24歳のモリソンは、日本のイースト・ウィンドとアメリカのInner City Recordsのためにアルバム『砂丘』を制作し、翌1977年にリリースしました。このアルバムは、アル・フォスター（ドラムス）とバスター・ウィリアムス（ベース）という、ジャズ界を代表するリズムセクションをフィーチャーしており、モリソンの音楽性を深く掘り下げた作品として評価されています。2003年にはCDとして再発され、再び注目を集めました。また、モリソンはフォスターの1978年のアルバム『ミックスド・ルーツ』にも参加し、その才能を発揮しています。

1977年には、ナラダ・マイケル・ウォルデンをフィーチャーしたセカンド・アルバム『Natural Layers』がChiaroscuro Recordsからリリースされました。このアルバムでは、モリソンの音楽性がさらに進化し、多様な音楽的要素が融合したサウンドが展開されています。

モリソンは、ギル・エヴァンス、ウディ・ショウ、アンドリュー・チェシャーといったジャズ界の巨匠たち、そして日本のジャズ・ミュージシャンである菊地雅章、日野皓正、川崎燎とも共演しています。これらの共演は、モリソンの音楽的な幅広さを示すとともに、彼が国際的な舞台で活躍したことを物語っています。

彼はコロンビア大学を卒業しており、アーメン・ドネリアンやマーク・コープランドとのバンドで演奏していました。これらの活動は、モリソンの音楽的な基盤を形成する上で重要な役割を果たしたと考えられます。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム
『砂丘』 - Dune (1977年、East Wind)
Natural Layers (1977年、Chiaroscuro)

参加アルバム
川崎燎: 『ジュース』 - Juice (1976年、RCA)
川崎燎: 『リング・トス』 - Ring Toss (1977年、Chiaroscuro)
アル・フォスター: 『ミックスド・ルーツ』 - Al Foster - Mixed Roots (1978年、CBS/Sony)
川崎燎: 『エイト・マイル・ロード』 - Eight Mile Road (1978年、East Wind)
菊地雅章: 『ススト』 - Susto (1981年、CBS/Sony)
日野皓正: 『ダブル・レインボー』 - Double Rainbow (1981年、CBS/Sony)
菊地雅章: 『ワン・ウェイ・トラヴェラー』 - One-Way Traveller (1981年、CBS/Sony)
エリック・ウッド: Letters From The Earth (1997年、Tangible Music)
マイルス・デイヴィス: 『ザ・コンプリート・オン・ザ・コーナー・セッションズ』 - The Complete On The Corner Sessions (2007年、Sony BMG)
マイルス・デイヴィス: 『ニューポートのマイルス・デイビス 1955-1975 - ブートレッグ・シリーズVol.4』 - At Newport 1955-1975 (The Bootleg Series Vol. 4) (2015年、Columbia/Legacy/Sony Music)

外部リンク

* サム・モリソン - Discogs（英語）

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