サメハダホシムシ科

サメハダホシムシ科について

サメハダホシムシ科（Phascolosomatidae）は、星口動物門に属するサメハダホシムシ綱の一種であり、主に3つの属から成り立っています。この科はサメハダホシムシ目の中で唯一存在しており、その特徴が注目されています。

サメハダホシムシ綱の特徴

サメハダホシムシ綱の動物たちは、触手が口の背側にのみ存在し、口を外側から囲まないという特異な構造を持っています。この綱には、サメハダホシムシ目の他にタテホシムシ目もあります。タテホシムシ目にはタテホシムシ科が含まれ、サメハダホシムシ類とは異なり、体の一部が堅くなった盾状の構造を持っています。

構成種

サメハダホシムシ科の属については、主に西川の分類に従っています。学名や分類体系はWorld Register of Marine Speciesに基づいており、ここでは有効名があるもののみを取り上げています。近年の分子系統学による研究によると、アンチラサメハダホシムシ属が新たに独立した科であるAntillesomatidaeとして昇格され、現行のサメハダホシムシ科はイトクズホシムシ属とサメハダホシムシ属の二つを含むことになります。

アンチラサメハダホシムシ属

アンチラサメハダホシムシ属（Antillesoma）は、口の部分に鉤がなく、体腔内の食道に沿って伸びる管である収縮管に柔毛があるという独自の特徴を持っています。ここには以下の分種が含まれます。

• - Antillesoma antillarum (Grube, 1858) - アンチラサメハダホシムシ

イトクズホシムシ属

イトクズホシムシ属（Apionsoma）は、吻に鉤を持ち、収縮管には柔毛がないという特徴があります。この属は2つの亜属、すなわちApionsomaとEdmondsiusに分かれており、それぞれの特徴に応じた分類が行われています。主な種には以下が含まれています。

• - Apionsoma (Apionsoma) misakianum (Ikeda, 1904) - ミサキフクロホシムシ
• - Apionsoma (Phascolosoma) trichocephalus (Sluiter, 1902) - イトクズホシムシ
• - Apionsoma (Edmondsius) pectinatum (Keferstein, 1867)

サメハダホシムシ属

サメハダホシムシ属（Phascolosoma）は、イトクズホシムシ属と同じく吻に鉤を持ちながら、収縮管には柔毛がない点が特徴です。しかし、この属は体壁の縦筋が分離するという違いがあります。サメハダホシムシ属もまた2つの亜属に分けられています。主な分種は次の通りです。

• - Phascolosoma (Phascolosoma) agassizii (Keferstein, 1866) - ヤマトサメハダホシムシ
• - Phascolosoma (Phascolosoma) nigrescens (Keferstein, 1865) - ネッタイサメハダホシムシ
• - Phascolosoma (Phascolosoma) pacificum (Keferstein, 1866) - タイヘイサメハダホシムシ

利用方法

サメハダホシムシは食材としても利用されることがあります。特に、中国の福建省では「土筍凍」と呼ばれる料理に使用され、現地ではこの動物が「土筍」や「可口革嚢星虫」として知られています。この料理はサメハダホシムシ属のPhascolosoma esculentaを煮こごりにし、タレをかけて提供されるため、美味しさが評判です。また、「土筍」は蒸し料理や粥の具としても親しまれており、最近では浙江省などでの養殖が行われるようにもなっています。

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