サラ・アビトボル

サラ・アビトボルは、1975年6月8日生まれのフランス人フィギュアスケート選手です。彼女はステファン・ベルナディスとのペアで、国際舞台でその名を馳せました。

初期のキャリアとペア結成

ナントで生まれたアビトボルは、6歳でスケートを始めました。1992年にステファン・ベルナディスとペアを結成し、同年の世界ジュニア選手権では、ペアと女子シングル両方に出場しました。ペアでは11位、女子シングルでは21位という結果でした。同シーズンには、シニアクラスの欧州選手権と世界選手権にも出場を果たしましたが、この頃はまだ国際大会での目立った成績はありませんでした。

国際舞台での活躍

1993-1994年シーズンからフランス選手権で優勝し、国内では頭角を現しましたが、国際大会では表彰台に上る機会はなかなか訪れませんでした。しかし、1995-1996年シーズンからISUグランプリシリーズに参戦を開始し、次第に国際舞台でも存在感を示し始めます。

グランプリシリーズでは表彰台を逃していましたが、スケートイスラエルでの優勝や、1996年欧州選手権での3位入賞など、徐々に力をつけていきます。そして、1998年の長野オリンピックでは6位入賞という結果を残しました。

ピークと挫折

長野オリンピック後の1998-1999年シーズンには、ラリック杯でグランプリシリーズ初優勝を飾りました。続く1999-2000年シーズンには、ラリック杯での優勝に加え、スケートアメリカとNHK杯で2位となり、グランプリファイナルで2位という好成績を収めました。そして、地元フランスのニースで開催された2000年世界選手権では、ショートプログラム4位からフリースケーティングで逆転し、見事銅メダルを獲得しました。このメダルは、フランス選手として1932年以来68年ぶりの快挙でした。

しかし、2001年世界選手権では途中棄権という不運に見舞われ、ソルトレイクシティオリンピックの出場枠を確保することができませんでした。それでも、2001-2002年シーズンには、オリンピック予選会となったゴールデンスピンで優勝し、ソルトレイクシティオリンピックへの出場権を得ました。さらに、2002年欧州選手権では自己最高の2位に入るなど、メダルへの期待が高まりました。しかし、オリンピック直前にアビトボルがアキレス腱を断裂し、出場を断念せざるを得ませんでした。2002-2003年シーズンを最後に、現役を引退しました。

引退後の告白

2020年1月、アビトボルは自伝『Un si long silence（こんなにも長い沈黙）』を出版し、1990年から1992年にかけて、当時のコーチであったジル・ベイヤーから性的虐待を受けていたことを告白しました。この告白は、フィギュアスケート界における虐待問題を明るみに出すきっかけとなり、大きな波紋を呼びました。

アビトボルのキャリアは、輝かしい成功と、度重なる怪我、そして性的虐待という苦難に満ちたものでした。彼女の勇気ある告白は、多くの人々に影響を与え、スポーツ界における倫理問題に対する意識を高める一助となりました。

主な戦績

1998年 長野オリンピック 6位
2000年 世界選手権 3位
2002年 欧州選手権 2位

外部リンク

国際スケート連盟によるサラ・アビトボル & ステファン・ベルナディスのバイオグラフィー（英語）
アビトボル & ベルナディス公式サイト
サラ・アビトボル - Olympedia（英語）

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